- 1 コロナ禍でもたくましく生き抜く歌舞伎町ホストの主張
- 1.1 緊急事態宣言の歌舞伎町でも儲かけている店はある
- 1.2 ホストクラブを支えているのは水商売の女性たち
- 1.3 個人事業主であるホストは働かなければ食べていけない
- 1.4 withコロナ時代の歌舞伎町はどう変化した?
- 1.5 ホストは生きづらさを抱える女性の拠り所!?
- 1.6 実はかなり多い自己肯定感&自己効力感の低い女性
- 1.7 職業差別によって建設的な結果が生まれることはない
- 1.8 福田智弘著「歌舞伎町26時」に登場するニュクス薬局とは?
- 1.9 著者の福田智弘ってどんな人?
- 1.10 20時から翌朝9時まで営業を続ける「ニュクス薬局」
- 1.11 深夜薬局の店主、中沢宏昭とは?
- 1.12 たくさんの客に愛される中沢さんに命の危機が!!
コロナ禍でもたくましく生き抜く歌舞伎町ホストの主張
サイト:https://blogos.com/article/516566/
2020年に日本列島だけでなく、世界を席巻した新型コロナウイルス。2021年に入ってからも収束する気配はまだまだ見られず、連日コロナ関連のニュースが報道されているのは、みなさんもご存じのとおり。
withコロナの時代に、最も注目を集めた繁華街といえば歌舞伎町でしょう。
今回は、文春オンライン『BLOGOS』の記事をもとに歌舞伎町で働いている20代半ばの現役ホストの声をお届けしていきます。
夜の街に自粛を求める世間の空気についてどう思うのか。
「僕たちは、立場的に個人事業主なので、自分らで動いて稼ぐしかない。サラリーマンとは人生の覚悟が違うと思います。だから、月給もらってる人から『自粛しろ』っていわれても、まったく響かないですね」(現役ホスト)https://t.co/sozgq8NoVF
— BLOGOS (@ld_blogos) February 12, 2021
緊急事態宣言の歌舞伎町でも儲かけている店はある
20代半ばの現役ホストであるKさんは、大箱クラスのホストクラブに勤務しています。
2020年の春の緊急事態宣言の際は、2週間ほどお店を閉めたそうですが、2021年の緊急事態宣言時にはお店を閉めることなく、19時から深夜1時まで営業しているのだとか。
もちろんホストクラブ側も、お店を訪れる多くの姫たちに安心を提供するための努力を惜しんでいません。
うがいや手洗いだけでなく、キャストとスタッフ全員が抗原検査を受けるという徹底ぶり。
入口では検温するシステムになっているため、もし熱があると発覚すれば、その日の来店はできなくなります。
ホストクラブによっては、コロナダメージをダイレクトに受けたところもあり、経営が立ち行かなくなったところもあるようです。
しかしKさんの勤めるホストクラブは、それほど大幅な売り上げ減があったわけではなかったそうです。
ホストクラブには、大金を稼ぎ出すエースが君臨。ピンキリともいわれるホストたちの中で、圧倒的な存在感があり、お店を支えているのがエース。例えコロナ禍であっても、エースさえいれば経営が成り立つというホストクラブも多数あるのでしょう。
ホストクラブを支えているのは水商売の女性たち
ホストクラブの顧客女性がどういう業種なのかを知っている人も、結構いるのではないでしょうか?
姫と呼ばれて担当ホストを応援し続ける女性の大半は、水商売に従事する人達。風俗嬢も少なくありません。
Kさんは「ホストクラブの売上が変わらないということは、ホストを支えているキャバ嬢、風俗嬢の稼ぎも落ちていないこと」と看破しました。
12月の売上が7,000万円を超えるキャバ嬢もいたことを明かしてくれたKさん。
「コロナで水商売は終わった」と一面的な見方をしている人が多かったものの、実情はそこまで単純ではなかったようです。
個人事業主であるホストは働かなければ食べていけない
コロナ禍で、メディアに出て発言をする人達の言動に違和感を覚えた人もいたのではないでしょうか?
ある放送局の人間が「経済を全て止めてでも、ゼロコロナを目指すべき!」と熱弁を振るったとも報道されています。
インフルエンザウイルスなどを例に挙げてもわかるとおり、ウイルス自体を根絶することは不可能です。
つまり新型コロナウイルス云々は一旦置いたとしても、ゼロコロナが実質不可能なことは確かであるものの、問題は「経済を全て止めてでも」という箇所。
この発言をしていた人の多くが、自分の仕事は安定しており、コロナ自粛を強いられたとしても食べることに困らないというのが問題なのです。
ホストクラブで働くホストたちは、いわば勤務場所を拝借している個人事業主のようなもの。Kさんは「自ら動いて稼ぐしかない」と実情を語ります。
そのため、安定した月給をもらいつづけている人間から「お前らだけ自粛しろ!」と言われても、まるで響かないと、赤裸々な胸の内を明らかにしました。
withコロナ時代の歌舞伎町はどう変化した?
「できるだけ経済を回したい」というのはKさんの基本的な考え。しかし最近、近頃コロナの影響でこれまで利用していた飲食店がどんどん閉まっていっているそうです。
歌舞伎町で働く人間の多くは、自炊能力が欠如していることも少なくありません。どれだけ儲けていても、インスタント麺で栄養の偏る食事を続けることは珍しくないのも確か。
このまま自粛が続き飲食業界が傾いていけば、水商売に関わる人達の健康状態も損なわれる可能性が高いといえるでしょう。
コロナ禍の歌舞伎町の変化として見過ごせない点があります。それは今まで水商売に携わらないような昼職の女性たちが参入し始めている事実。
コロナの影響によって、これまでの仕事では生活していくことができなくなっている女性たちが増加中という見方もできます。
この流れはしばらく続いていく可能性が高いでしょう。
ホストは生きづらさを抱える女性の拠り所!?
Kさんはホストの業務に対して、強い矜持を持っています。彼は「女性にとって拠り所でありたい」という思いを持ちながら、ホストの仕事で生計を立てています。
世間一般のホストへのイメージは、決してクリーンなものではありません。「女性からお金を搾取する」「口八丁手で上手に誘導し、女性を洗脳する」などといった見方をしている人もいるでしょう。
Kさんは女性を見ていると「いつも苦しそうにしている」といった印象を受けるのだとか。コロナ禍で自らその生涯を閉じてしまった人達は、男性よりも女性が多かったというデータもあります。
最近でこそ、女性自らがこれまでに遭遇した理不尽な体験などを告発するような動きも出てきました。しかし日本で生活している女性の多くが、まだまだ生きづらさを抱えていると解釈することもできるでしょう。
実はかなり多い自己肯定感&自己効力感の低い女性
声高に自己肯定感の低さを口にする女性は少ないかもしれないですが、傍目ではかなり優秀な女性が自分に対する評価を低く見積もっているという報告もあります。
優秀なのに自己肯定感が低い女性が多いのはなぜ? – 勝部元気|論座 – 朝日新聞社の言論サイト https://t.co/4ilKBnqRoO
— 純 (@felice_japonica) May 18, 2019
自らの能力に対する評価を自己効力感(セルフ・エフィカシー)と呼ぶのですが、この力さえ高ければレジリエンスといわれる回復する力、復元する力も比例して高くなるもの。
例え逆境に陥っても、「じゃあ今度はこのように方向転換しよう!」と前向きなアイデアを出せるのです。
Kさんは生きづらさを抱え自己肯定感の低い女性が「会いたい」と思える存在になっていることに誇りを持っています。
職業差別によって建設的な結果が生まれることはない
一次的に生きる希望が見いだせなくなったとしても、「週末になれば、あの人に会えて元気になれる」と思えれば、日々の暮らしに少しは張りが出るかもしれません。
Kさんは「女の子に無理強いさせることはない」と断言します。
昼職、夜食に限らず人は各々、社会的な役割を与えられて生きています。Kさんのようなやり方で、女性を癒して社会に貢献する人がいることはなかなか理解されづらいかもしれません。
しかし一時的なガス抜きで、水商売に携わる人間を叩いたとしても、根本的な問題解決になることは決してないでしょう。
Kさんが我々に、思考停止をして脳みそを怠けさせることがないよう注意喚起してくれているようにも感じられる記事内容でした。
誰よりも女性の本音を知っているのは、身近で接し続けているホスト達かもしれませんね。
福田智弘著「歌舞伎町26時」に登場するニュクス薬局とは?
参考サイト:https://cakes.mu/posts/32722
歌舞伎町に対して使われる表現として「不夜城」「眠らない街」などといったものがあります。
今回は福田智弘さんが、小学館集英社プロダクションから2021年2月18日に出版した「深夜薬局 歌舞伎町26時、いつもの薬剤師がここにいます」の内容や、「ニュクス薬局」に関する情報をピックアップして紹介します。
火曜、金曜10:00〜更新
ニュクス薬局が舞台の
「深夜薬局 (小学館集英社)」
が特別公開中です。本日、第8回。2/18書籍発売。
紀伊国屋書店、新宿店では1階の新刊コーナーと5階に置かれるそうです。朝日新聞に使われた写真の利用が許可され、掲示されるとの事です。https://t.co/gVxos7tVzJ
— ニュクス薬局 中沢宏昭 (@naka3231) February 16, 2021
著者の福田智弘ってどんな人?
埼玉県生まれの福田智弘さんは、1965年生まれですので、2021年50代半ばということになります。
これまで歴史や文学など幅広いジャンルで執筆活動を続けており、これまでに『よくわかる! 江戸時代の暮らし』『ビジネスに使える「文学の言葉」』『世界が驚い たニッポンの芸術 浮世絵の謎』などを、上梓しております。
20時から翌朝9時まで営業を続ける「ニュクス薬局」
ギリシャ神話が好きな人は、ニュクスという言葉になじみがあるかもしれません。夜の女神であるニュクスは、カオスから生まれました。ゲームやアニメなどでは、最後に登場する最も強いラスボスであることも少なくありません。
眠らない街歌舞伎町にふさわしい、ニュクスという店名。こちらのお店が混雑し始めるのは26時頃。つまり深夜2時からだといわれています。
深い時間から来店する人が増えるのは、いかにも歌舞伎町らしいですね。
深夜薬局の店主、中沢宏昭とは?
これまで「ニュクス薬局」は、Eテレの人気番組『ドキュメント72時間』でも取り上げられるなど、たくさんの取材を受けてきました。
「ニュクス薬局」ができたのは2014年。それ以来、たったひとりでお店を切り盛りしてきた中沢さん。
ワンオペを続けてきたことで疲労が蓄積した結果、2020年6月22日の深夜、大変な事態に……。何と中沢さんが過労で倒れてしまったのです。
幸い通行人が発見してくれたことにより、大事にはいたりませんでしたが、もしそのまま放置されていたら命を落としていた危険性が高かったそうです。
来店する層のおよそ7割が女性。その中には、ホストクラブに通い続けているキャバ嬢、風俗嬢の姿も少なくありません。
たくさんの客に愛される中沢さんに命の危機が!!
メンタルが不安定な女性も多く、そういった人達の話に優しく耳を傾けるのが中沢さんのスタイル。
「ニュクス薬局」の常連である女性は「先生優しいから、なんでも話しちゃうんだよね」と、完全に心を許している様子。
偏見に晒されやすい夜職の人達に対して、フラットな姿勢でコミュニケーションする中沢さんに癒されている女性はたくさんいるでしょう。
「ニュクス薬局」には、歌舞伎町以外の渋谷、六本木といった街からも人がやってくるため、必ずしも歌舞伎町の住人だけが通う薬局ではありません。
しかし歌舞伎町に「ニュクス薬局」と中沢さんが、もはや必要不可欠になっていることは間違いないでしょう。
中沢さんが倒れたと聞き、常連客が駆けつけ無事を確かめたり、ねぎらう人が絶えなかったといいます。
中沢さんは、Twitterで歌舞伎町の住人が大好きであることを、書き込みました。
歌舞伎町がなんだとかあれこれ言われがちな昨今ですが、こんなに、あったかい言葉をいただける歌舞伎町のみんな大好きです。
本当にご心配おかけ致しました。
みんなに心配されたんじゃ、本末転倒なんで、無理はしないようにします。。。
— ニュクス薬局 中沢宏昭 (@naka3231) June 23, 2020
「深夜薬局 歌舞伎町26時、いつもの薬剤師がここにいます」の中には「深夜薬局をめぐる10の物語」と題されて、10個の濃密な話が収録されています。
「ホストとバーテンダー、気の合うふたり」という、読むだけでほっこりしそうな章もありますので、ぜひ興味を持った方はお買い求めくださいませ。
深夜薬局 歌舞伎町26時、いつもの薬剤師がここにいます (ShoPro Books) (福田智弘) の、Kindle版が10%OFFで予約開始されました。木曜配信。https://t.co/78kJlnOenh
— 電子書籍新着情報 (@amaebooknew) February 16, 2021