ホストのステータスとして指名本数や売上によって順位が決まる「ナンバー」は有名なので、耳にしたことがある人も多いでしょう。一方で、ホストクラブには、ナンバーとは別に「役職」が存在します。
役職に就くことで、収入がアップするなどさまざまなメリットがあります。本記事では、ホストクラブにおける役職と昇格基準、役職に昇格するメリットについて併せてみていきましょう。
「将来的に役職に就きたい」「キャリアアップしたい」というホストの人は参考にしてください。
ホストクラブの役職とそれぞれの役割
まずは、ホストクラブにどのような役職があるのか、何をしているのかみていきましょう。
ホストクラブの役職は、大きく「お店の経営にかかわる役職」「現場の統括にかかわる役職」の2つに分けられます。ただし、役職名はお店によって異なることもあるため、あくまでも参考程度にしてください。
お店の経営にかかわる役職
お店の経営に関わる役職とは、基本的にプレイヤーとしてお店には立たずに、ホストクラブの運営や資金管理、労務管理などを行っています。
・オーナー/経営者
オーナーはホストクラブの所有者であり、経営の最終決定者かつ最高責任者です。
・社長
オーナーに次ぐポジションで、経営の実務面を担います。オーナー社長として、オーナーと兼任している場合もあります。
・店長/代表
店長は各店舗の最高責任者です。実際にお店に出勤し、スタッフの管理やイベントの企画など、店舗の運営を任されています。店長と呼ぶところもあれば、代表と呼ぶところもあります。
・取締役/三役/幹部
プレイヤーが目指せる1番上のポジションで、次期店長・代表候補になります。店長や代表の補佐的な役割を担います。
・マネージャー
中間管理職的ポジション。現役プレイヤーを引退したホストまたは内勤スタッフが就くのが一般的です。
現場の統括にかかわる役職
現場の統括にかかわる役職とは、実際に店舗に出勤して、現場のキャストやスタッフの指揮や教育を行う役職です。
・総支配人/支配人
取締役/三役の1つ。現役プレイヤーが就く役職のなかで1番上のポジションです。自分の売上はもちろん、店全体の売上や主任・副主任の指揮、キャストの人間関係や教育などに気を配ります。
・部長
各セクションの管理職ポジション。部署を設けているホストクラブで見られます。一般的にはホストではなく内勤・店舗運営スタッフが就きます。
・主任
現場の統括に関わる役職のうち中間管理職的なポジション。一般的にはナンバー常連のホストが就きます。
・幹部補佐
上位の役職の補佐を行うポジションで、将来の幹部候補者でもあります。新人の指導係が主な仕事です。
・リーダー
プレイヤーが最初に就けるポジションで、同一店舗に複数人いるのが一般的。売上がそれなりにあるプレイヤーであれば昇格するチャンスがあります。
ホストクラブで昇格するメリット
役職に就くことで、任される業務や責任の範囲は広がります。それでは、ホストクラブで昇格するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
- 歩合率がアップする
- 役職手当が付く
- 昇格イベントを開催できる
- 雑用・掃除をしなくてもいい
- 新規指名が増える
- 発言力が強くなる
ここからは、ホストクラブで役職に就くメリットを6つ紹介します。
歩合率がアップする
役職に就くと歩合率がアップするので、より大きな売上を作りやすくなります。一般的にホストの歩合率は50～60％です。お店にもよりますが、役職に就くことで最大で歩合率が80％程度までアップする可能性があります。
上位の役職や経営に関わる役職であれば、自分の売上ではなく、店舗売上に対する歩合が発生することもあるようです。
役職手当が付く
役職に就くと、役職手当も付きます。お店やポジションによって設定されている金額や計算方法が異なり、「固定で5,000～5万円ほどが自分の売上に固定でプラスされる」パターンと「自分の売上や店舗売上の数％が歩合でプラスされる」パターンがあります。たとえば、主任になれば売上の5％が役職手当としてプラスされることが多いようです。
昇格イベントを開催できる
役職に就くと、昇格祭・就任祭といったイベントが開催されます。個人イベントはホストにとって稼ぎ時で、大きな売上を作れる絶好のチャンスです。より上位の役職になると、イベントの規模も大きくできるので、1,000万円以上の売上も期待できます。
雑用・掃除をしなくてもいい
雑用や掃除についても、役職者は免除されます。厳密な担当者はお店によって割り振りが異なりますが、基本的に新人ホストや売上が少ないホストの仕事となっているのが一般的。これは、役職を任されるほどの実力がある人材は、自分の仕事にフォーカスしてもらったほうがお店にとってプラスになるためです。
新規指名が増える
役職に就いていることは一種のステータスであり、役職者だからという理由で新規指名がもらえることも珍しくありません。
役職者になれるということは、つまりそれだけ女性を楽しませることに長けているということです。女性からすると、売れないホストよりも、トークや接客力を心配せず、安心して指名できるということになります。新規客の獲得はホストにとって売上アップのチャンスなので、自然と指名が入るのは嬉しいポイントです。
発言力が強くなる
役職者に就くことで、ホストクラブ内での発言力が強くなります。売上アップや指名獲得よりもどのようなメリットがあるのかイメージがつきにくいかもしれませんが、基本的に意見が対立したときは立場が上の人のほうが有利になります。
役職に就くことは、自分が不満に感じることを変えやすくなるということなのです。お店をより良い方向に導くことができれば、さらなる昇格も目指せます。
役職に就くには？ホストクラブでの2つの昇格基準
それでは、どうすれば役職に就くことができるのでしょうか。
プレイヤーが役職を目指す場合は、「一定以上の売上」と「上司・部下・お客様からの信頼」が昇格基準となります。1つずつ確認していきましょう。
一定以上の売上
プレイヤーが役職に就くための第一条件は、売上の大きさです。役職者となればコンスタントに一定以上の金額を稼ぎ続けなければなりません。
お店にもよりますが、幹部補佐なら「3ヶ月間、100万円以上の売上を上げる」などのノルマをクリアすることが昇格基準となっていることが多いようです。もちろん、ポジションによって求められる金額は異なり、上位の役職になればなるほど大きな売上が求められます。
上司・部下・お客様からの信頼
売上と同じくらい重要視されるのが、周囲からの信頼の厚さです。いくら売上が大きいホストであっても、周囲から不信感を持たれていたり自己中心的だったりすれば、管理職としての職務を果たせないと判断されます。
ホストクラブは、ナンバー付きのホストだけでなく、内勤スタッフや一般ホストを含めたお店全体のチームプレーでお客様が楽しめる環境を作り上げています。そのため、周囲と良好な人間関係を築き、頼られる存在でなければ役職者としてお店を支えることができません。
同様に、お客様からの信頼も欠かせないポイントです。役職者はお店の代表であり、お客様からの評判が悪ければお店自体の評価にも影響します。
ホストクラブの昇格に関わるよくわる質問
最後は、ホストクラブの昇格や昇格基準について、よくある質問に回答していきます。
>役職とナンバーの違いは？
役職とは、個人の売上以外にも何かしらの役割・業務を与えられた管理職を指します。一方で、ナンバーは売上の大きさ、または指名本数で決まる順位です。
売上が大きいほうが、ホストとして実力があることを意味するため、役職に就きやすい傾向があります。しかし、役職は売上だけで決まるものではないため、ナンバー付きのホストでも役職を持っていない場合もあります。
ホストクラブで偉い順番は？
ホストクラブによって役職名や役職者の数が異なるため、多少の違いはありますが、一般的には下記のような順番で上下関係が決まっています。
オーナー
↓
社長
↓
店長/代表
↓
取締役/総支配人
↓
部長
↓
主任
↓
幹部補佐
↓
リーダー
お店によっては、エグゼクティブプロデューサーやコーディネーター、スーパーバイザーなどの特殊な役職を設けているところもあります。
ホストクラブで降格になることはある？
オーナー以外の役職者は、仕事の出来次第で降格になることがあり得ます。とくにプレイヤーから選出される役職は、個人の売上が昇格基準になっているだけでなく、目標売上を維持し続けなければなりません。ノルマがクリアできない場合、役職から降ろされる可能性があります。
まとめ
今回は、ホストクラブにおける役職と昇格基準について解説しました。役職に就けば、指名獲得・売上アップのほか、お店での発言権が強くなったり、より高いポジションへの昇格が期待できます。ホストは一定の年齢で引退する人が多いものの、役職者であればお店に関わり続けることができるので、将来的なキャリアビジョンも描けます。
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