ホストとして働き始めるときは、あらかじめ業界特有の言葉を知っておくと、仕事に早く馴染めるようになります。
本記事では、ホスト用語の「飲み直し」の意味や、お客様から飲み直しをもらうメリット、飲み直しをもらうコツを解説します。飲み直しは売上アップに直結するものです。これからホストを目指す人やホストとして働き始めたばかりの人はぜひ参考にしてください。
ホスト用語「飲み直し」の意味
ホスト業界における「飲み直し」とは、初回で入ったお客様が、本指名を入れて飲み直すことを指します。飲み直しになると、その時点で初回料金での飲み代は一度清算され、その後は通常料金で接客することになります。
通常、ホストが指名をもらうためには、2回目の来店を待たなければなりません。しかし、飲み直しをもらえれば、その日のうちに指名を獲得することができるのです。
ホストの初回料金と通常料金の違い
ホストの初回料金は、お客様の入店のハードルを下げるために「1時間飲み放題付きで1,000円」などと、かなりリーズナブルな価格が設定されているのが一般的です。そのため、初回のお客様の相手をしても売上はほぼ発生しません。
しかし、通常料金は指名料・テーブルチャージ(席料)・サービス料(TAX)・飲食代が含まれます。よって、1時間で3~5万円ほどの売上が生まれます。お客様が高いお酒を入れてくれると、その金額は大きくアップする可能性も。
つまり、飲み直しになれば、通常料金での接客となるため、自分に売上が付くようになります。初回料金と通常料金では、お店やホストに入る金額が全く異なるのです。
ホストの憧れ!飲み直しをもらうメリット
ホスト側には、飲み直しはメリットしかないので、ぜひ狙いたいところです。
・本指名の獲得&売上アップ
・新規客の確保
・ランキングの一発逆転
ここからは、飲み直しをもらうメリットを紹介します。
本指名の獲得&売上アップ
飲み直しをもらうということは、つまり本指名をもらうということです。指名してくれるお客様の数が増えれば、それだけ売上アップも期待できます。
本指名には、1,000~5,000円の指名料がかかります。さらに、大半のホストクラブで永久指名制を採用しており、一度指名するホストを決めると、担当替えはできません。そのため、本指名をもらえるということは、そのお客様が来店するたびに使うお金がすべて自分の売上になるということを意味します。
本指名の獲得・売上アップは、ホストにとって何より魅力的なメリットといえるでしょう。
新規客の確保
飲み直しは、新規客を獲得する絶好のチャンスです。
永久指名制のホストクラブでは、本指名を決めたお客様に対して、担当以外のホストが連絡することを禁止しています。そのため、新規で来たお客様から飲み直しをもらった時点で、他のホストはそのお客様に営業をかけることはもちろん、連絡先を聞くこともできなくなります。
飲み直しをもらえれば、他のホストに取られる心配も、次回来店時までにマメに営業をかける手間もなく、その日のうちに新規客を獲得できます。ホストにとっては、かなりコスパの良い新規客の獲得パターンといえるでしょう。
ランキングの一発逆転
新規で本指名をもらえれば、その日・その月のランキングを一気にひっくり返せることもあります。
一般的に、本指名をしてくれるお客様が多いほど分母が大きくなるため、売上を上げやすくなります。しかし、なかには1人で数百万円の売上を作ってくれるお客様も存在します。新しく獲得したお客様から高額オーダーが入れば、ランキング圏外から上位にランクインできるチャンスが生まれます。
新人ホスト・売れないホストであっても、一発逆転で人気ホストに成り上がれるかもしれません。
飲み直しになる3つのケース
ホストとしてぜひゲットしたい飲み直しは、どのようにもらえるのでしょうか。
基本的には、「内勤が取り付ける」「ホストが煽る」「お客様から提案される」という3つのケースがあります。お客様から提案されることもありますが、やはり内勤またはホストから提案して、飲み直しになるケースのほうが一般的です。
飲み直しをゲットするコツ
続いては、具体的にどのようにアプローチすれば飲み直しを獲得できるのかみていきましょう。
・接客時・送り時にホスト側から提案する
・アフターに誘う
・自信を持ってお客様を楽しませる
ぜひ実践してみてください。
接客時・送り時にホスト側から提案する
接客の途中や送り指名をもらったときには、自分から飲み直しを提案しましょう。
「図々しく思われたくない」と飲み直しを煽ることを躊躇してしまうホストは多いものです。しかし、実のところ飲み直しを誘っても、嫌がるお客様はそう多くありません。もちろん、強引だったりあからさまなお金目当てだったりするのはNGですが、一緒に過ごす時間が楽しいことを伝えられたら喜ぶ女性は多いものです。
飲み直しの提案はノーリスク・ハイリターンだと思って、積極的にアプローチしましょう。
アフターに誘う
アフターに誘って、お客様のメリットをはっきり示すことも効果的です。
アフターではお店の外で会うことになるため、テーブルチャージやサービス料が発生しません。また、ホストと2人きりで自由に過ごせるので、お客様はお店にいるときよりも特別感を感じられます。そのため、お気に入りのホストからのアフターのお誘いはかなり嬉しいものです。
「アフターできたらなって思うんだけど、飲み直ししない?」「飲み直ししてくれたら、アフターでご飯一緒に行きたいな。会計は僕が持つよ」などと、アフターを交換条件に飲み直しを提案してみましょう。
自信を持ってお客様を楽しませる
堂々とした接客も大切です。新規来店時には、新人ホストを中心に複数のホストがお客様を接客します。ライバルたちを差し置いて、自分を指名してもらわなければなりません。このとき、「自分なんて…」と卑屈になったり、オドオドした態度を取ったりすると、多くのお客様は興覚めしてしまいます。
ホストに限らず、自信を持っている人はキラキラと魅力的に見えるもの。飲み直しをもらうためには、「誰よりも自分が楽しませる」という意気込みが必要です。
飲み直しされなかったら?
飲み直しされなかったからといって、指名をもらえないというわけではありません。飲み直しは通常料金になるため、初回から飲み直ししてくれるお客様のほうが少ないのです。飲み直しを誘って断られても、諦めずにアプローチを続けましょう。
飲み直しを断られたときは、送り指名の獲得が目標となります。送り指名をもらえれば、お客様と連絡先を交換するので、営業連絡を入れて次回来店時の指名を狙うことができます。
飲み直しの提案後は、思いやりのある姿勢をみせることを意識しましょう。お客様の気持ちや都合も考えず、強引にお金を使わせようとしていると感じられたら指名はまずもらえません。
まとめ
今回は、ホストにとってメリットしかない「飲み直し」について詳しく解説しました。飲み直しをもらえると、初回のお客様から指名をもらえるだけでなく、売上も自分に付くようになります。飲み直しを提案しても、よほど誘い方を間違えなければ、相手を不快にさせることもありません。ぜひ飲み直しを提案して、精力的に売上を作っていきましょう。
ただし、お客様にとって飲み直しは、初回料金から通常料金に切り替わるうえ、他のホストを選ぶ余地が無くなることを意味します。そのため、飲み直しを提案するときは、自分の魅力をアピールしつつ、お客様の状況を理解して、思いやりのある接客を意識しましょう。