床下からゴミ、ネズミの運動会、近隣住民が鬼クレーマー……。ホストクラブオーナーが体験した「ヤバい物件」とトラブル回避法

どもども、こんばんは。

歌舞伎町でホストクラブを経営するNGG（NEW GENERATION GROUP＝ニュージェネレーショングループ）オーナーの桑田龍征です。

今回は、ホストクラブを含めた店舗経営のビジネスで多い、物件のトラブルについて書いてみます。

床下のゴミ撤去で70～80万円の出費

NGGの新店舗『Majesty NOVA』の物件を決めた後、中をスケルトン状態にしてみたら問題が山積みだった……ということが先日にありました。

床下からゴミがメチャクチャ出てきて撤去に70～80万円が必要とか、天井から常時水漏れが続いているとか、色々な問題がありました。

You Tubeでも動画にしましたが、17年もこの商売をしていると、まあよくあるレベルのトラブルです。

トイレの勾配が小さすぎて水が逆流するとか、店の中をネズミがチューチュー言いながら走り回っているとか、いろんな店舗を見てきましたから（笑）。

自分がオーナーになったばかりの頃は、さすがにビックリしましたが、今ではそんな状態から手直しするのも慣れっこです。

そうやって様々な経験をするなかで、少しのことでは驚かなくなりましたし、知らない間に多くのノウハウを学べているのは、長く経営を続けてきたからだと思っています。

特に歌舞伎町はビル自体が古い場合が多いので、地震を含めて様々なリスクがあります。

そうしたリスクを認識したうえで、どう向き合うべきかも、経験を積むなかで自分なりの考えができてきました。

フランチャイズ出店にも落とし穴はいっぱい

そうした経験が生きたことは最近もありました。

僕は「PERFECT BEER」という、本当においしいビールを提供するビアスタンドのフランチャイズに取り組んでいますが、そこで目をつけていた物件が中目黒にありました。

「ここをビアガーデンにしたら面白そうだね！」と言っていた物件で、具体的な話も進みかけていましたが、僕には小さな違和感がありました。

住宅地に近接する場所なので、ビアガーデンにしたら何だかクレームが入りそうな予感があったんです。

そこで秘書に「ちょっと現地調査をしてきてよ」と頼むことにしました。

そして隣のお店の店長さんに色々と話を聞いてもらったら、「目の前の家の老夫婦が鬼クレーマーなんですよ」というすごい情報が入ってきました。

前のテナントだったラーメン屋は3ヶ月程度で撤退したそうです。

さらにその前に入っていたカフェは、お店を開け放って営業していたところ、老夫婦が騒音を測る機械を持参して店舗に登場。

「こんなに音を立ててけしからん！」と、お客さん相手にクレームを付けてきたそうです。

そんな場所だと分かれば、テラスのあるビアガーデンなんて営業しようがありません。

かといってお店を締め切って営業しても、店の前にたむろするお客さんは出てくるでしょうから、クレームが届く確率は高いでしょう。

結果として、その物件は候補から外すことになりました。

こうした下調べをせずに出店して、数ヶ月のあいだに撤退をすることになれば、1000万円を超える初期投資の赤字は経営者の責任です。

選びかけていたので危なかったですが、途中で気づけて良かったですね。

需要があるのに閉店する店は世の中に沢山ある

店商売をやるうえでは、こうした近隣住民や近隣店舗に関わるリスクは付き物です。

さらにお店を続けるうえでは、自社のスタッフに関わる人材のリスクもあります。

「この場所でオープンしたら需要がありそうだ」という点ばかりに気を引かれて、出店を決めてしまう人は多いですが、需要があっても失敗してしまうケースは多くあるわけです。

そうしたことがわかってくれば、FC本部（フランチャイズ本部）の言葉も安易に信じなくなります。

想像すれば分かりますが、FC本部側はどんどん店舗を拡大したいと思っています。

そのためオーナーになる人に対しては、どんな物件でも「イケますよ！」と軽い言葉で言いがちです。

それで1000万円以上をドブに捨てた例なんて、世の中に山ほどあります。

今の僕なら1000万円を損しても普通に生きていけますが、脱サラしたての人とかは本当に悲劇です。

これからお店を始めようと思っている人は、本当に気をつけましょう！