ホストの年齢は20代が大半を占め、キャリアのピークは20代前半から中盤と言われています。
ホストの求人広告では応募時の年齢上限は20代後半から30歳までに設定されているところが多く、一般的にも若い時だけできる職業というイメージが強いのではないでしょうか?
しかし、実際には数は少ないものの30代~40代でも現役ホストとして活躍している人もいますし、引退後に運営側として業界に残っている人を含めればその割合はもう少し上がります。
今回は年齢を重ねたホスト達の働き方についてご紹介していきます。
何歳まで現役ホストとして働ける?
ホストには明確な年齢制限は設けられていません。お客様がいて、本人も働くモチベーションがあれば何歳まででもホストとして続けられます。
ただしそれは一定以上の売上がある場合のみ。
まずは、何歳から何歳までホストとして働けるのか詳しく確認しておきましょう。
そもそも何歳からホストを始められる?
法律上、ホストクラブでは18歳以上であれば働くことができます。18歳未満は未成年であり、青少年保護育成条例の対象として午後11時から翌日の午前4時までの間の外出が原則禁止されています。
ただし、18歳であっても高校に在学中は働かせてもらえないのが一般的。これは高校の校則で水商売を禁止しているところが多く、万が一トラブルになったときに問題が大きくなるリスクがあるためです。リスクヘッジがきちんとできているホストクラブほど、高校生を働かせることはありません。
また、お店のコンセプトや方針によっては、20歳以上・30歳以上と入店できる年齢制限が設けられていることがあります。
飲酒については、法律上20歳を超えないとできません。そのため、18歳・19歳で働いているホストは、自分はお酒を飲まずに接客することになります。
30代・40代で活躍している現役ホストも
ホストとしてのピークは10~20代といわれていますが、近年は30代・40代のおじさんホスト=おじホスの人気も高まっています。30代・40代のなかには、20代に混じってナンバー入りしている人もいます。
また、おじホス専門のホストクラブもあるため、30歳になったからといって必ずしも引退しなければならないということはありません。さらに、かなりレアではありますが、「シニアホスト」と呼ばれる50代・60代のホストも存在します。なかには、還暦を超えてからNo.1を獲得した人も。
ただし、やはり30歳ごろを目安に引退する人は多いものです。ホスト引退後にどのような選択肢があるのかについては、本記事「ホスト引退後はどうする?」で詳しくお伝えします。
何年くらいホストを続けられる?
ホストを続けられる年数としては、おおよそ5〜10年ほどが多いです。
20歳前後で始める人が多いので、20代後半で辞める人が多いイメージですね。
ホストクラブでは、30歳近くなるとベテランとして扱われます。
経験を積んだホストは、プレイヤーとして活躍しながらも幹部として運営に携わることが多いです。
売れている人が引退するタイミングはお店にとっても売上を左右する大事な要素なので、運営側とよく相談して決めます。
年齢別ホストを続けたい人が取るアクション
長くホストを続けるためには、年齢に応じて自分の売り方を変えることが重要となります。年を重ねれば、お客さんのニーズや自分の体力も変わってくるためです。
ここからは、年齢別にホストを続けたい人に必要なアクションを解説します。
18歳〜20代前半
18歳〜20代前半は、失敗を恐れず、さまざまな経験を積む年齢です。若さがあれば体力も時間も余裕があるもの。若いからこそ許される失敗もあります。
一方で、社会人経験が少ない年齢でもあるため、自分の未熟さを受け入れる素直さや謙虚さも必要です。教育制度が充実しているお店を選んで、しっかりと社会人として・ホストとしての基礎を学びましょう。
また、若いうちに大きく売れる人もいれば、なかなか芽が出ない人もいます。たとえ自分の頑張りがすぐには実らなくても腐らず堅実に努力を続けることが重要です。
20代後半〜30代前半
20代後半では、ホストとしての進退を考える年齢に差し掛かります。若さや勢いを売りにするのが難しくなってくるため、大人の余裕や落ち着きが重視されるようになります。人としての魅力や、勢いだけではないトーク力を磨くことを意識しましょう。
そして、30歳を区切りとして、多くのホストが引退を考えます。ここで現役を続けたいホストは、おじホスとしての売り方にシフトし、若いホストにはない大人の色気や人生経験を武器にしていくことになります。
年齢を重ねると、肌トラブルや体力の衰え、体形維持が難しくなるため、美容や運動も意識的に行うようにしましょう。
30代後半〜
30歳後半以降もホストを続けられる人はそう多くありません。しかし、需要がないわけではないため、年齢を重ねないと身に付かない穏やかな空気感や柔らかい所作、丁寧なトークが求められます。
30代後半以降になると、体型維持・健康維持がさらに難しくなります。中年太りや加齢臭なども心配されます。食事や運動に気を遣い、清潔感を維持できるようにしましょう。
そして40代・50代と年齢が高くなればなるほど、人間力が勝負になります。これまでの人生経験が豊富であればあるほど、おじ様好きの女性のニーズを満たせるでしょう。
ホストを引退するときの理由は?
ホストを引退する理由は人それぞれですが、よくあるものを見ていきましょう。
・売上があげられなくなった
→年齢を重ねることと売上低下は必ずしもイコールではないのですが、以前のように売上げられなくなることで、限界を感じて引退を選ぶ人も多くいます。
・昼職へ転職する
→年齢、家庭など、環境や気持ちの変化によって昼職に就くことを選ぶ人もいます。
また、ホストをしていく中でやりたい職業が明確になり、その目標を実現するために引退を選択するケースも。
・起業して他業種でビジネスを始める
→売れている人に多いのが、ある程度ホストとしての経験を積んでから引退して他分野のビジネスを始めるという流れ。
飲食店、ジム、コンサルタントなどブランディング能力や接客力の高さが活かせる仕事を選ぶことが多いようです。
・独立して自分のホストクラブを持つ
→ホストとして名が売れている人は、独立して自分のお店を出すことを理由に引退することもあります。
・当グループオーナーの桑田龍征もプレーヤーからホストクラブ経営者に転身したひとり。
ブログでは桑田自身のホストへの思いや、ホストやビジネスマンとして大切なマインドについてシェアしています。
桑田龍征公式ブログはこちら
大手グループでは独立支援しているお店もあり、グループから開店をサポートしてくれることも。
・適性がない
→ホストとして向かないために引退を決意する人も一定数います。
このような場合は、他の職業に就くか、内勤スタッフとして働くかに分かれます。
・体調を崩した
→飲酒量が多いキャラのホストはレギュラー勤務が長いと体調を崩すこともあります。
飲酒以外にも、不規則な生活習慣・乱れた食生活などが理由で健康を損なうことがあるので、普段からしっかりと健康管理する意識を持ちましょう。
ホスト引退後はどうする?
ホストを引退した後のキャリアとしては、
- 経営者・経営陣となって働く
- 店のスタッフとして働く
- プレイヤーとしてできる限り働く
- ホストを辞めて違う職に就く
などの選択肢があります。
それぞれの道についてより詳しく見ていきましょう。
経営者・経営陣となって働く
ホストとして売れて人脈がある方は、ホスト引退後自らが経営者となることも。
当グループオーナーの桑田龍征は、ホストクラブの経営だけでなくワイン事業、不動産事業、学習塾経営など多分野の事業を展開しています。
メディアでお馴染みのローランドさんは、男性用脱毛サロン、ヘアサロン、コスメなど美容系のビジネスに取り組んでおり、それぞれのキャラクターにあった事業を行うことが多いです。
店のスタッフとして働く
ホスト引退後に内勤スタッフとして働く人もいます。
内勤スタッフの仕事は、ホストの出勤管理、撮影スケジュールの調整、店舗のサイトや公式SNSの運営、各種事務仕事を行うスタッフのことです。
表に出ることのない仕事ではありますが、店舗をスムーズに回すには内勤スタッフの存在は必要不可欠。
ホストとしての経験があると内勤の仕事もスムーズに進めやすいですし、プレイヤーとも信頼関係を築けるでしょう。
プレイヤーとしてできる限り働く
年齢を重ね続けても現役のプレイヤーを続ける稀有な存在もいます。
元々在籍していたお店で長く働いたり、年齢層の高いお店に移籍したりと方法は様々。
長く現役を続けられる人は売上があったり、有名だったりする人なので、副業や本業としてのビジネスと平行してホストをしていることが多いようです。
また、一度引退した後しばらく経ってから復帰するという人もいます。
年齢を重ねてから復帰できるのは、知名度のある人がほとんどです。
ホストを辞めて違う職に就く
ホスト引退後に全く違う仕事をする例も多いです。
転職先として多いのは、
- 飲食店(居酒屋やバーなど)勤務
- キャバクラやクラブの黒服
- 建設業界
- 不動産関係
などの職業です。
また、家業を継いだり、夢を叶えるためにホストを辞めるという人も。
昼職に就くと生活リズムが全く変わるので、転職後すぐは習慣になるまで体を合わせるのが大変かもしれません。
年齢を重ねたホストは高い人間性が求められる
年齢を重ねてからもホストとして現役を続ける人は、高いコミュニケーション能力や気配りが身についているのはもちろんのこと、モチベーションを保ち続ける強さを持っています。
ホストはチームワークが必要な場面も多いですし、続けるためには周囲への思いやりなど人間的な魅力も必要です。
生涯プレイヤーとして現役でいつづけることは難しい職業ですが、割合として少ないだけで前例がないわけではありません。
長くホストとして働き続けたい場合は、若い人にはない包容力や色っぽさなど年齢に応じた武器を身に着けつつ、年齢に応じた目標を考えておきましょう。
ホストを続けられる年齢は自分次第!
ホストを続けたい、と思えば何歳でも続けられる業界です。ただそれにはそれに応じた実績が必要になります。
若い時のように無条件にホストを続けられるわけではないので、ホストになる際は大まかなキャリアプランを練っておくのもこれからの時代は必要かもしれませんね。
ただ、ホストとしての経験を活かして人と接する介護の仕事をしている方や人材派遣業、書店、飲食店など様々な分野で活躍している元ホストは大勢います。
ホストで身に着けた技術は絶対にその後の人生で無駄にならないので、機会があるうちにまずは本気でホストをしてみるのも人生で得難いメリットになるでしょう。