遠慮のないぶつかり合いが会社を伸ばす：現代に必要な「根性論」の使い方

どもども。

歌舞伎町でホストクラブを経営するNGG（NEW GENERATION GROUP＝ニュージェネレーショングループ）オーナーの桑田龍征です。

今回は組織運営における「根性論」や「ぶつかり合い」の大切さについて書いてみます。

遠慮のない衝突が成長を生む

組織を成長させるうえでは、制度やマネジメント理論はもちろん大事です。

でも、それ以上に「気合」や「根性論」的なものも欠かせません。

「そもそもお前は何がしたいんだ」「てめー何やってんだ！」

こういう人対人のぶつかり合いの中でこそ、本音が出て、相手の本気を引き出すことができます。

衝突を避け続けていたら、組織はどこかで必ず停滞します。

映画『浅草キッド』を見た方は分かると思いますが、北野武さんの師匠を演じる大泉洋さんが放つ「この野郎！」というやり取りには、愛情と熱がこもっています。

なぜあの映画が再び評価されたのか。それは、世の中がどこかで「昭和的な師弟関係の良さ」を求めているからだと思うんです。

僕自身も、岩井さんや林さんと一緒にやってきた中で、謙虚さと同時に「遠慮のない熱さ」があったからこそ強い関係を築けたと思っています。

ビジネスパートナーや取引先にも頑固でクセのある人はいましたが、そういう人たちと真剣勝負をするからこそ面白いし、自分の成長にもつながってきたんです。

だから僕は「何も起きてない状態」が一番の危機だと考えています。

いざこざがない、波風が立たない――それは一見平和に見えて、実は挑戦も成長も止まっている証拠なんです。

強く言えない社長が抱える悩み

「問題のある社長」と聞くと、多くの人はパワハラ体質を思い浮かべると思います。

自分がスーパーマンのように何でもできるから、部下がつまずく気持ちが理解できないタイプですね。

けれど、今の時代は逆に「丁寧すぎて伝えられない社長」も問題を抱えています。

「強く言ったらハラスメントになるかも」と考えすぎて、肝心なことを伝えきれない。そんな悩みを抱える経営者は実際に増えてきています。

ここで大事になるのが、コーチングの世界で言う「遠慮の開放」です。

お互いに遠慮していたら、目標には絶対に届きません。

「ここまでやるんだ」と決めたなら、遠慮せずに言葉をぶつけ合ってでも前に進まなければならないんです。

僕が立ち上げた「組織の左腕」では、そういう遠慮を外した環境づくりをしています。

お互いに手を取り合いながらも、時には真正面からぶつかる。そうでなければ、組織が次のステージに行くことはできないからです。

長く同じ会社にいて、仲が良くても、気づけばコミュニケーションが希薄になり、成長が止まってしまうことがあります。

そういうときこそ衝突が必要です。僕はあえて衝突を起こし、そこから生まれるトラブルを楽しむ姿勢を持っています。

言葉の力を信じるマネジメント

ただし僕は、根性論や衝突を肯定しても、乱暴でネガティブな言葉は使いません。

僕が育ってきたホスト業界は変わった人も多い世界です。

トラブルを起こす人もいれば、突然辞めていく人もいます。だからこそ、マネジメントする立場として「言葉の使い方」には徹底的に気を配ってきました。

僕は「変なやつ」「ヤバい奴」といった言葉を使いません。

代わりに「面白いやつ」と言うようにしています。

極端な話、ある社員を「ゴミ」と呼んでいたら、その言葉通りにその人はゴミのような存在になっていきます。

言葉には魂が宿ります。言霊なんです。

「おもろいやつが多い」と思えれば、「多少トガっていてもいいじゃないか」「変わった幼少期を過ごしていてもいいじゃないか」と自然に受け入れられます。

むしろその経験こそが強みになると考えられるようになります。

こうした考え方でマネジメントをしてきたことは、僕が手がける「組織の左腕」の大きな強みにもなっていると思っています。

大手企業向けのコーチングは「育ちが良くて高学歴な人材」を対象にしているケースが多いですが、中小企業ではそうはいきません。

年商数億〜20億くらいの会社に集まるのは、優秀だけど一癖二癖ある人たちです。

「上場企業なんか行ってられるか」と尖った思想を持つ人や、生まれ育ちでつまずきを抱えた人。

そういう人をどうマネジメントするか。ここで僕の経験と、言葉を工夫する力が生きるんです。

衝突を恐れない。でも言葉はポジティブに変換する。
トラブルは楽しみながら乗り越える。
それが僕の信じる根性論であり、組織を伸ばすマネジメントの本質です。