新宿歌舞伎町には、実に200を超えるホストクラブが軒を連ねています。
歌舞伎町にあるホストクラブでオーナーになる人は、どういったバックボーンを持つのでしょう。
儲かる可能性も高い分、苦労も多い歌舞伎町のホストクラブオーナー、その実態に迫ります。
ホストクラブのオーナーは元ホスト?
ホストクラブのオーナーになる人の特徴を挙げていきましょう。
圧倒的に多いのが元ホストです。
歌舞伎町で一大勢力を持つ冬月ホールディングスのオーナーである冬月翔氏はプレイヤー出身。
ホストの世界にはたくさんの派閥があります。数々の派閥が昼夜問わず激しい覇権争いを繰り返しながら切磋琢磨を繰り返しているものの、「強豪揃いのホストグループの世界での実質トップは、冬月グループホールディングスなのでは?」という噂も。ホストの世界[…]
また2019年の4月に「the club」というホストクラブを立ち上げたローランド(ROLAND)も元ホストです。
なぜ元ホストがオーナーになるケースが多いのでしょうか?
ホストクラブを経営するのなら内情を理解していなければなりません。
他業種に従事してきた人が、ゼロからホストクラブのオーナーになったとしても収益を上げるのは難しいでしょう。
元ホストがオーナーになるメリットとして、ホストクラブで勤務する現役ホストの気持ちが分かるというのが大きいでしょう。
細やかな気遣いや声掛けなどは、実際にホスト経験のある人しか理解できないところがあります。
今後もカリスマホスト、スターホストがプレイヤーを引退してオーナーになり、経営者として尽力するケースは増え続けるでしょう。
歌舞伎町を生き抜く大変さ
歌舞伎町で生き抜くのはとにかく大変です。
ホストクラブの業界自体が、ギトギトした人の欲望で成り立っている世界。
魑魅魍魎がたくさん歌舞伎町に集まり、どうすれば儲けられるかを日夜考えています。
ホストクラブの経営者になった際に、カリスマホストがいるとお店の収益が安定しやすいのは確かでしょう。
しかし一つ問題があります。
あまりにも一人のホストだけが稼ぎすぎると、経営者と雇われているホストのパワーバランスが崩れてしまいます。
最初はホストの取り分が売り上げの半分だったとしても、お店の中心になればホスト側がもらうパーセンテージも増えていきます。
超売れっ子ホストになれば7割もかっさらっていくことがあります。
他店によるヘッドハンティングも珍しくないホスト業界。
「実は俺、別のホストクラブからこれくらいの金額で移籍しないかと誘われてるんです」などと伝えて、さらに収入アップをはかろうとするホストもいます。
経営者からすると、スターホストがいなければ経営が成り立たないものの、あまりにもゴッソリとお金を取っていかれるのは悩みどころ。
最終的に決裂して、ホストが出ていくというパターンもあります。
せっかく投資して育てた人材が、オーナーに牙を剥くこともあるのです。
飼い犬に手を嚙まれる現象は、とりわけ歌舞伎町のホストクラブで頻発しています。
経営に失敗したらどうなる?
これはホストクラブの経営に限ったことではありませんが、会社経営に失敗すると大変な痛手をこうむります。
何千万円の借金を背負う可能性もあるでしょう。
起業するということは、ハイリスクハイリターンの世界に飛び込むということ。
中途半端な覚悟では、すぐにメンタルをやられてしまいかねません。
不安と隣り合わせなのが経営者。
「歌舞伎町は莫大な収益を出すライバル店がたくさんあるから、自分の店だと勝負にならない…」など、マイナスのマインドになった途端に立ち行かなくなるでしょう。
経営に失敗すると甚大なダメージを受けるからこそ、多くの経営者は寸暇を惜しんで学びつつ汗水を流すのです。
そもそも、ホストクラブ経営は儲かるのか?
結論からいえば、ホストクラブの経営というのは成功すればかなり儲かります。
ただし最初にある程度、資金に余裕がなければ初期投資できないため、尻すぼみになるリスクが高いでしょう。
ゼロからホストクラブをオープンさせるとしたら、何千万円、場合によっては何億というお金があっという間に消えていきます。
ただし軌道に乗ればどんどん稼げるのもホストの世界の魅力。
特に歌舞伎町で成功できれば、どこの場所でもある程度の成果を残せるでしょう。
ライバルの多い地域で勝ち抜くのは大変ですが、そこで鍛えられて勝利した人間は紛れもなく本物です。
独立に思い至るまで
プレイヤーとして働いていたホストが、なぜ独立して経営者になるのでしょう?
それは「ホストの旬」と大きく関係しています。
ホストクラブは10代後半から20代前半の若者が多く、三十路を過ぎるとシニア扱いされかねないサイクルの早い世界です。
昼夜逆転で毎日のように大量のアルコールを飲むような業務内容なので、体力が衰えてくると良いパフォーマンスを発揮しづらくなります。
そこで次の一手として独立し、経営者になるという青写真をを描くようになります。
まとめ
ホストクラブの経営は甘くありません。
特に歌舞伎町は日本一のホスト激戦区。
油断すればすぐに生き馬の目を抜かれる世界です。
ホストクラブのオーナーになり一店舗目を成功させると、二店舗目、三店舗目と拡大していき、最終的には冬月ホールディングスのように巨大なピラミッドを作りうることも可能です。
ただしそこへ至るまでには、とてつもないエネルギーと運が必要となります。
「チャラい男が多い」「女性を騙してお金儲けをしてる」などと批判されやすいホストクラブですが、その経営は生半可なものではありません。