ホストと聞けば若い男性がイケイケの接客をしている印象が強いはず。しかし今はたくさんの種類のホストが増えました。ホスト求人を見ればシニアの年齢に該当する男性を募集しているお店も。
なぜシニアホストの需要があるのか、シビアに分析していきます。
日本の平均年齢
日本人の寿命が伸び続けています。1990年の平均寿命は女性81.9歳、男性が75.92歳でした。これが2017年になると女性が87.26歳、男性が81.09歳に。終身雇用が成り立ち還暦まで働いて人生リタイアするなんてライフスタイルは、はるか昔。今はどの世界でも、年齢層が上がっています。
野球の話で恐縮ですが、阪神タイガースの福留孝介選手は、2022年に45歳まで現役を続け、チームになくてはならない存在として、最後までファンから惜しまれながら引退しました。
福留 孝介(ふくどめ こうすけ、1977年4月26日 – )は、鹿児島県曽於郡大崎町出身の元プロ野球選手(外野手・内野手、右投左打)、野球解説者
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E7%95%99%E5%AD%9D%E4%BB%8B
ホストは確かに若手が多いのは事実。しかしシニア層のホストに需要がないかといえば否でしょう。日本人が働き続ける年齢が上がれば、比例してホストの年齢も上昇していくことが考えられます。そのため「シニアホスト募集!」という情報が求人情報に掲載されていても、特に不思議ではありません。
熟年のシニアホスト
それでは、ホスト業界において、シニアホストがどのような存在なのかみていきましょう。
シニアホストとは
一般的にシニアというと65歳以上を指します。ホスト業界においても50代後半~60代のホストが「シニアホスト」や「ジジホス」と呼ばれます。ただし、ホスト業界は20代が現役世代となるため、30代以上になるとおじさんの部類に入ります。30代前半であっても、おじさんとして扱われるのです。そのため、30代以上のホストは「おじさんホスト」や「オジホス」などと呼ばれます。
ホストの多くは30歳を区切りに、進退を決めるのが一般的。通常は、現場を退き、一般職に転身するか、ホストクラブの運営や人事など管理側に回ります。ここで、プレイヤーを引退せずに現役を続ける選択をした人たちがオジホスとなり、40代・50代を突破したごくごく一部のホストがシニアホストとなります。
また、少数ではありますが、年齢を重ねてからホスト業界入りしたり、昔ホストをしたことがある人が復帰したりして、シニアホストになるケースもあるようです。
シニアホストの魅力
シニアホストの魅力は、やはり若い男性にはない、落ち着きと包容力からくる「安心感」でしょう。若いホストとは男女の色恋に似た駆け引きを楽しむことができますが、大人の男性相手になると、無駄に強がらず、素直に甘えられるという女性が多くなるようです。
人生経験が豊富だからこそ感じられる哀愁や色気があり、女性のちょっとしたワガママも大きな器で受け入れてくれます。そのため、特に「男性に甘えたい」「ファザコン気質」「自分のキャリアが高い」という女性に人気です。
なかには、純粋におじさんに大人の魅力や色気を感じる「枯れ専」と呼ばれる女性も存在します。実は、おじさんにしかない魅力を求める女性は少なくないのです。
シニアホストを語る上で必ずといっていいほど名前が挙がるのが、千葉哲也さんと鶴谷文隆さんです。千葉哲也さんは、現存する最古のホストクラブである、歌舞伎町「愛-本店-」に所属しており、少なくとも69歳まで現役を続けられたとか。
鶴谷文隆さんは、30歳という一般的にはホストを卒業する年齢で業界入りし、還暦を超えても現役で活躍されました。歌舞伎町で働き始めたのはなんと60歳で、還暦を超えてからNo.1を獲得。メディアでも多数取り上げられ、全国的に話題となりました。2019年には北海道に移り、現在はバーを経営されています。
バーのマスターもある種のホストである
そもそもホストの定義って何でしょう?実は明確な取り決めがありません。お酒を出したりする接客業は多分にホスト的な要素を含んでいます。その視点で見ればバーのマスターもホストに該当。聞き役に徹してお客さんを盛り上げたり癒やしたり、あるいは心地良いツッコミやおもしろトークを提供して笑わせるのもバーマスターの仕事。比較するとホストの業務内容と、とてもよく似ています。
「シニアホストの求人が見当たらない」とお嘆きの人は、バーのマスターも含めて探す、というのもひとつのやり方でしょう。バーのマスターをしていると真面目な人からそうでない人まで、多種多様の人間と接する機会が増えます。この経験が人としての成長につながるのです。バーのマスターを体験してから、シニアホストとして働くという順番は、理にかなっているかもしれないですね。
バー(英:bar)とは酒場、飲酒店のことである。イギリスではこのスタイルの酒場をパブと称する。類似呼称にパブがある。
日本で「バー」の看板を掲げる場合は、カウンターでカクテルや水割りなど酒類を提供する店舗が多く、酒類を提供する風俗店や娯楽を提供する店でも「バー」を名称に用いる場合が散見される。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%BC_(%E9%85%92%E5%A0%B4)
熟年の”ホストクラブ”はある?
「もしシニアのみに絞ったホストクラブの募集があれば嬉しい」と考えている人に向けて、さらに深掘りした情報をお届けしましょう。
かつて浅草などに、還暦を超える男性ばかりが勤めるホストクラブが存在しました。思い切った切り口に注目が集まりました。しかし現在そういったシニアのみをそろえる戦略のホストクラブはあまりないようです。
もしホストクラブで働くとしたら、若い男の子たちに混ざっての勤務になることをあらかじめ知っておくといいでしょう。ちなみに新宿歌舞伎町の「愛本店」は、高い年齢のホストの在籍率が他店よりも高いといわれています。
- クラブ 愛本店https://x.com/aihontenhost/status/1169198247283314688
50代でも働ける求人はある?
一部でシニアホストの需要があるとはいえ、やはり若い女性が通うホストクラブにおいて50代以上のホストを募集するのは非常に稀です。これはおじさんホスト・シニアホストの多くは、所属しているホストクラブで現役を続けた結果、40代・50代のホストになるためだと考えられます。
2024年6月時点で50歳以上が応募できる求人はかなり少ないものの、ゼロというわけでもありません。
たとえば、大阪ミナミのホストクラブ「CLUB PRINCE」の求人募集は、「18~50歳くらいまで」。おじさんの応募が可能なホストクラブでも「50歳まで」を条件にしている店舗が多いことから、50歳を超えてもチャンスがある珍しいホストクラブといえます。
同じく大阪ミナミのホストクラブ「MERRY GO ROUND 本店」の募集は「20歳~50歳」です。「やる気のある人」という条件も設けられているので、50歳でも売れる意欲が高ければ入店の望みがあります。
歌舞伎町では、ジジホス専門のホストクラブ「JIJI」の求人が「20歳~50歳」です。実際に50代のホストも働いていることから、イケおじであれば採用のチャンスがあるかもしれません。
歌舞伎町の大手グループ「SINCE YOU… GROUP」の「SINCE YOU… -Classic-」は、30歳以上を条件にホストを募集しています。元俳優の押尾学さん(46歳)がプロデュースしており、ご自身も毎週金曜日に出勤されています。ただし、50歳でもOKという記載はないので、実際に応募できるかは不明です。
NEW GENERATION GROUPなら30代からでも稼げるプレーヤーを目指せます。ぜひ問い合わせください。
50代より上の年齢でホストはきつい?
ホストクラブの求人情報に目を通すことで「シニアホストのあるなし論争」に、最も早くケリをつけられます。答えからお伝えすると、シニアホストの採用はあり。最年少では「18歳からOK」とされるホストの世界ですが、30歳を超えるとホストクラブ側から、求められなくなります。
しかし見た目が若かったり、他のホストが持たない引き出しがあったりすれば面接してもらうことは可能。電話をかけた際に採用担当者が興味を抱けば「とりあえず一度お店で面接をさせていただけますか?」と告げてきます。
面接の際に魅力のアピールに成功すれば、勤務することだってできます。ただし可能性があるのは40代まで。50代を超えると、面接までこぎつけることさえ難しくなります。
年齢<人間的魅力 スコトーマを外せ!!
スコトーマという言葉があります。眼科医業界で使われる盲点という意味。
年齢を重ねた人がホストとして活躍するには、スコトーマをいかに外すかというのが重要になるでしょう。
あのアインシュタインは「常識とは十八歳までに身につけた偏見のコレクション」という名言を残しました。
「自分は年齢がいっているからホストとして活躍するのは無理」というのは、自身がホストをやらなくてもいいという理由を作るための逃げ口上。
最後はあなたがどれだけホストをやりたいのか?や楽しめるのか?が問われます。
大切なのは、お客様を喜ばせる気持ちと覚悟。
年齢はあくまでひとつの指標でしかありません。
最後に勇気が湧き出る45歳シニアホストとして成功した男性のインタビューを引用します!
45歳という年齢でハンディなどを感じますか?
ないですね。
もちろん歳がいってるの嫌!
って言う子もいるけど、同じように若い子が若すぎると嫌!
って言われる事もあるからね。
だから結局みんな同じ。
特にハンディは感じないかな。ホストは若いうちだけの仕事って概念が覆りますね!
俺今45歳だから50歳くらいまで頑張ればほぼ定年みたいなもんじゃない?
だからもっと年齢が高いホストも働きやすい店が増えたらいいなと思うよ。
まとめ
最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
|
シニアのホストは確かに存在しますが、年齢を重ねるとだんだんきつくなってくるのは確か。ホストという仕事に魅力を覚える人は、相応の努力を重ねてホストでい続けることも、もちろんあり。
ただし「そろそろきつくなってきたから、別の仕事を探したい」という人は、シニアホストの求人広告だけをチェックするのはおすすめできません。別業種に目を向けることも大切。
たくさんの選択肢を持っておけば、ホストを廃業したあとでも、食い扶持を稼ぐことができます。柔軟性が求められる時代だからこそ、ひとつのことに固執せずに様々な働き方を模索しましょう。