どもども。歌舞伎町でホストクラブを運営するNGG(NEW GENERATION GROUP=ニュージェネレーショングループ)オーナーの桑田龍征です。
今回は、僕が先日にリツイートした下記のツイートについて、考えたことを書いてみます。
共感の範囲を広げすぎると、人はより不幸になる
安倍元首相の銃撃事件のあった日、僕は以下のツイートをリツイートしました。
筋トレで有名なTestosterone(テストステロン)さんのツイートです。
この話はメチャクチャ大事だなと思って、インスタのストーリーにも載せました。
僕はこのツイートと同じようなことを、東日本大震災の頃から感じていましたし、現在のコロナ禍でも感じています。
特に大きかったのは、東日本大震災の経験ですね。
日本であれほど「自粛」の空気が広まったのは初めてのことだったと思いますが、僕は「自粛って一体何だろう」と深く考えました。
というのも、自粛という行為は、世の中のほぼ全ての人を不幸にすると思ったからです。
もちろん、他の人の身に起きた不幸に共感するのは、人間らしく素晴らしいことです。
でも、全世界の不幸な人たちに共感をして、一緒に悲しんでいたら、人は何の行動もできなくなります。
たとえばガンジス川に死体が流れてくるたびに、インド人の全員が悲しみに暮れて、普段どおりのしごとや日常生活を止めてしまったら、一体どうなるでしょうか?
もうインドのあらゆる機能がストップして、国そのものが終わっちゃいますよね。
なぜホストクラブは「最後に自粛解禁」なのか
でも、ほぼ全ての人には毎日続けている仕事があるでしょうし、その仕事で維持している生活があるでしょう。
農家の方なら「食っていくために畑を耕そう」と、やはり仕事に向かうでしょう。
サラリーマンの人も、やっぱり会社に行きますよね。
そして、ホストクラブも本来は同じはずなんですが、世の中から向けられる目線は少し違います。
世の中が一度「今は自粛だ」というムードになると、エンターテイメントの産業が自粛解禁のムードになるのは、いちばん最後だからです。
インフラを維持する仕事は自粛なんてすべきじゃない。
生活必需品に関わる仕事も、そのまま続けましょう。
飲食店も、世の中に必要なお店はあまり自粛はしないで良し。
……みたいな認識なのに、「遊びに関する仕事はしばらく自粛で後回しね」となるんです。
「俺らの仕事の何がそんなに悪いの?」と思っちゃいますよね。
おそらく日本の世間には、「エンタメの産業や夜の産業は、社会が平和で平穏な時だけ動くべきものだ」という認識があるんでしょう。
でも僕は思うんです。
エンタメが平和で平穏な社会の象徴なら、早くそれを取り戻したほうがいいじゃないですか。
エンタメ産業が動いていることで、心が救われる人、楽になる人もいるわけですから。
もちろん、「今はそういうお店に行く気分じゃない」という人もいるでしょうし、心の回復にかかる時間は人それぞれです。
遊びたい人だけ遊んで、遊びたくない人は遊ばなければいいでしょう。
世の中でどんな出来事が起きても、心に受けるダメージと、回復にかかる時間は人によって違いますから。
だから僕は、個々人が行動の自粛をすることは全く問題ないと思っています。
「それを他人に強制しないでよ」という話ですね。
悲しみに暮れ続けるのではなく、身の回りの人を幸せにしよう
「自粛ムードが蔓延するこの都会で、たった1人で家にこもっている人の孤独さ、みんな分かってますか?」と僕は常々思っています。
同居人や家族がいる人はまた別でしょうけど、都会には1人で住んでいる若者が多いです。
そういう人たちから、街でお酒を飲む場所や、遊びや社交を楽しむ場所を奪ったら、一体どうなるか。
不幸なニュースが垂れ流されるのを見続けて、より辛い状態になってしまう人も増えるでしょう。
そうやって「自粛」が世の中に与える悪影響って、僕は計り知れないものだと思います。
だから世の中を揺るがすような不幸な出来事が起きたときは、「これは自分の生活とは別次元の話だ」と切り分けて考えることも大切です。
そうしないと、普段どおりの生活もできなくなるし、仕事もできなくなってしまいます。
テストステロンさんのツイートは、いま僕が書いたようなことを完結に言い表していたので、「これは本当にそうだな」と思ってリツイートしました。
もちろん僕も、安倍元首相のご冥福は、心の底からお祈りしたいと思っています。
コロナや天災で不幸な目に遭った人は、本当に気の毒だとも感じます。
でも僕たちは僕たちで、身の回りの誰かのために手足を動かして、誰かを幸せにしよう。
それが今の自分にできることなんじゃないの?と僕は思っています。