どもども。歌舞伎町でホストクラブを運営するNGG(NEW GENERATION GROUP=ニュージェネレーショングループ)オーナーの桑田龍征です。
今回は、NGGがコロナ禍でグループ最高月商を更新したので、ここまでの試行錯誤の道のりを振り返ってみます。
オーナーになって最初の4年、遊び呆けていた過去
僕は8年前からホストクラブのオーナーとして、「仮説を立てる」「それを実践してみる」「上手く行ったこと、上手くいかなかったことを振り返りながら、微調整をしつつ新しい仮説を立てる」という作業を繰り返し行ってきました。
なお、僕がオーナーになったのは12年前です。
それより前の4年間、オーナーとして何をしてたかというと、ぶっちゃけ経営のほとんどを人に任せていました。
自分はゴルフをしたりダイビングをしたりして、遊び呆けていたんです。
その4年間のせいで、NGGはほかの歌舞伎町のホストクラブ・グループさんと差がついたと思います。
正直悔しく思っています(そんなことは言っても仕方ないので、あまり口に出しませんが)。
ただ、自分は起業するのが早かったぶん、遊びに目覚めるの早かったし、おかげで早い時期に遊びから抜け出せました。
実際、今は仕事ばかりしています。
若い頃に遊びまくった時代があったからこそ、仕事と遊びのバランスも考えられるようになったと思っています。
仕組みだけでファンは作れない。ディズニーを見れば分かる。
自分が作ってきたグループなのに、自分が大事にしてきたものが、グループの中でないがしろにされつつあることを感じたんです。
それは、僕が遊び呆けていたせいです。
そして、多くの仕事を任せてきた右腕も独立するタイミングだったので、「もう一度やり直すか」とまた真剣に仕事に向き合いはじめました。
そして、自分が事業の陣頭指揮を取るようになってからは、本当にいろいろなことを試しました。
まずトライしたのは事業の効率化と仕組み化です。
そのころ流行りのマネジメントの理論だったので、僕も実践をしてみたわけです。
仕組み化を進めたことにより、組織は良くなった部分も確かにありました。
その反面、そこで気づいたのは「やっぱり仕組みで人はつくられない」ということでした。
たとえばディズニーランドも、ただアトラクションを作って業務をシステム化しただけでは、あんなにファンは増えませんよね。
あれだけディズニーランドを好きな人が多いのは、スタッフの人材教育を効率的に行うだけでなく、一人ひとりのスタッフを大事にして、その個性やポテンシャルを存分に生かしているからです。
僕が作りたいホストクラブも同じです。
スタッフがお仕事として接客するだけの、深夜のコンビニみたいなお店を作りたいわけじゃない。
スタッフ同士も、もちろんスタッフ対お客様も含めて、人と人とのコミュニケーションに楽しさや喜びがあるお店を作りたい。
そうした自分の基本に立ち返ったわけです。
あの遠回りは「必要な遠回り」だった
やはり仕組み化は従業員からは反発食らいます。
それは「自分が歯車にされている」という体感が強くなるからです。
そして仕組み化をガッツリ進めたことで、「そもそも自分の性格って仕組み化に向いてないよな」と遅ればせながら気づきました。
そうした遠回りも時には必要だと僕は思います。
最終的にたどり着くところが同じでも、遠回りした人と最短距離で辿り着いた人とでは、その過程で得たものが違うからです。
たとえば仕組み化の方向を探らず、マンパワーとメンバーの個性だけでやってきた経営者は、伸び悩んだときに「果たしてこのままでいいのだろうか」「やっぱり仕組み化しなきゃダメかもな」と迷いが生まれるはずです。
でも僕の場合は、仕組み化を進めて上手くいかなくなった経験もしているし、そのなかで「この部分だけは仕組み化した方がいい」という教訓も掴んできました。
なので一部で仕組み化された部分は残っていますし、「この遠回りはただの遠回りではなかった」と感じるわけです。
「あのとき遊ばずに頑張っていれば」
「あの頃に違う戦略を進めていれば」
そう後悔ばかりをするのではなく、自分の人生をしっかり振り返れば、「あの遠回りは自分に必要だった」と分かることは多いはずです。
NGGが最高月商の更新を続けられているのも、僕は様々な遠回りのおかげだったと思っています。