「ホストの仕事がしんどい」「辛いから辞めたい」と考えることはありませんか?
一般的には、お店に辞めたいことを伝えれば退店できますが、なかにはトラブルになるケースも存在します。
本記事では、ホストがホストクラブを辞める前に知っておきたい、円満に辞める方法や無理に引き止められたときの対処法について解説します。お店と揉めたり損をしたりしないよう、ホストを辞めるときの注意点についてもみていきましょう。
よくある「ホストを辞めたい」と考える理由
ホストが辞めたくなる理由はさまざまで、人によって大きく異なります。
- 接客が辛い
- お酒を飲むのがきつい
- ノルマがきつい
- 思ったように稼げない
- 人間関係が悪い
- 体調を崩した
- 好きな人ができた
- 年齢的に厳しくなった
ホストの仕事は、生活習慣が不規則になりやすく、毎日多くのお酒を飲むことになるため、飲酒やノルマを苦痛に感じたり、体調を崩したりする人もいます。また、想像していたよりも稼げず、諦めてしまう人も珍しくありません。
ホストを円満に辞める方法
通常は、お店に辞めることを伝えれば、問題なく退店することができます。しかし、注意しなければお店に迷惑をかけたり、他のキャストと気まずくなったりと、気持ちよく辞められなくなる可能性があります。
- 辞める理由・時期を明示する
- 次の仕事を決めておく
- お客様との距離を取る
トラブルなく辞めるためには、上記の3つに気を付けましょう。
辞める理由・時期を明示する
辞めるときは、辞める理由と辞める時期もはっきり伝えることが大切です。
ホストに限らず辞めたいことを伝えると、たいていは「どうして辞めたいの?」「○月までは続けられない?」などと聞かれます。このとき曖昧な答えだと、「もう少し続けてみようよ」と流されてしまいがちです。
辞めることを心に決めているのであれば、「体調不良」「家庭の事情」など具体的な辞める理由と、辞めたい時期をしっかり伝えましょう。誰もが納得できる理由があれば、引き止められにくくなります。
一般的には、最終出勤日の1ヶ月以上前にお店側に伝えるのがマナーなので、早めに申し出るようにしましょう。
次の仕事を決めておく
引き止められたら辞めにくいと不安な場合は、次の仕事を決めてしまってから伝えるのも一手です。次の仕事が決まっていれば、辞める理由や時期も自然と明確になります。
ホストの勤務時間は夜なので、体力的にはきつくなりますが、日中に昼職への転職活動もできるでしょう。
ただし、退店後に違うお店で働いたり、引き抜きで別のお店に移ったりするとトラブルの原因となります。違うお店で働くことになっている場合は、わざわざ伝えないほうが得策です。
お客様との距離を取る
働いているお店や他のキャストに迷惑をかけないようにすることはもちろん必要ですが、自分を推してくれたお客様への配慮も忘れてはいけません。
熱狂的なお客様の場合、ショックが大きすぎるとストーカー行為に走ったり逆恨みをされたりする可能性も考えられます。辞めることを伝える前に、勤務日数や連絡頻度を減らして、少しずつ距離を取りましょう。
引き止められたら?辞められないときの対処法
よほどお店との関係が悪くない限り、退店を伝えると引き止められるものです。
ホストクラブ側に強制的に引き止めたり、退職を妨害したりすることはできませんが、退店の希望を聞き入れてもらえないこともあり得ます。
ここからは、引き止められて辞められないときの対処法を解説します。
- 退職届を内容証明で送る
- 転職エージェントに相談する
- 退職代行を利用する
- 弁護士に相談する
退店を言い出せないという人や、引き止められて辞めさせてもらえない人は参考にしてください。
退職届を内容証明で送る
辞めたい気持ちを伝えてもお店に取り合ってもらえないという場合は、内容証明で退職届を郵送しましょう。
内容証明とは、いつ・誰が・誰に・どのような内容の文書を送ったのか、公的に証明できる郵便を指します。郵便局で手続きをすれば、個人でも内容証明を送ることができます。内容証明郵便を使えば、公的に退店の意思を示したこと・送付の日付を証明できるので、退店について言った言わないのトラブルを回避できるのでおすすめです。
転職エージェントに相談する
転職エージェントを利用することで、新しい仕事を探しながら、退職の相談をすることができます。夜職から夜職への転職エージェントのほか、夜職から昼職への転職エージェントも存在するため、これからやりたい仕事を考えて相談先を探しましょう。
ポイントは、「夜職」に精通したエージェントであることです。ホストの事情を把握しているエージェントであれば、業界特有の問題や悩みに対する解決ノウハウを持っているので、より安心して転職活動に集中できます。
退職代行を利用する
辞めたい意思を明確に示しても辞めさせてもらえない場合は、退職代行サービスの利用も検討しましょう。お店との間に、退職代行サービスのスタッフが入ってくれるため、自分で直接お店と交渉する手間や時間、心理的なストレスから解放されます。
夜職向けの退職代行サービスであれば業界事情にも精通しているため、依頼しやすいでしょう。
弁護士に相談する
最終手段として弁護士に相談するという手もあります。弁護士が介入することで、警察沙汰や裁判沙汰になったりする可能性があるため、多くのお店は警察や行政に目を付けられることを嫌って強く引き止めなくなります。
「辞めたいのに辞めさせてもらえない」「借金があって辞められない」など、自分ではどうしようもないトラブルを抱えている場合は、弁護士に相談するのがよいでしょう。
「飛ぶ」のは危険!その理由とは?
「辞めさせてもらえない」「辞めるのを言い出しにくい」からといって、連絡せずに行方不明になる、いわゆる「飛ぶ」行為はおすすめできません。
突然出勤しなくなれば、事件性があると思われたり、実家の家族に連絡がいったりと周囲に迷惑がかかる可能性があります。とくに、「寮の費用が未払いだった」「お店や寮の備品を持って逃げた」という場合は、実家に督促状が送られたり、警察に被害届を出されたりと大事になる可能性があります。
また、遠方に引っ越さない限り、お店の関係者やお客様と街で鉢合わせすることも考えられます。
飛ぶことを考えるほど悩んでいるのであれば、退職代行や弁護士に相談をするなど、確実に辞められる方法を選びましょう。
ホストを辞めるときに知っておきたい注意点
特別な事情があり、ホストを辞めたくても辞められないという人は少なくありません。しかし、お店が在職を強要することは本来できないので、多くはホスト側が勘違いをしていたり、正しい知識がなかったりすることが原因です。
- 辞めるために先輩の許可はいらない
- 罰金は要求されても支払わなくてよい
- ツケは清算してから辞める
- 借金は退職後の返済で問題ない
最後は、ホストを辞めるときに誤解されがちな注意点についてお伝えします。
辞めるために先輩の許可はいらない
ホストを辞めるときに「店長や先輩の許可が必要」といわれるケースがあるようですが、辞めるためにお店側の許可は不要です。労働者であっても個人事業主であっても、自分の意思で職場を選ぶ権利があります。
ただし、これまでお世話になったことを考え、他のキャストやお店にできるだけ迷惑がかからないよう辞めるタイミングは話し合って決めることをおすすめします。
罰金は要求されても支払わなくてよい
ホストの退店に際して「罰金」の支払いが要求されたという話も耳にするかもしれませんが、これは法律上お店側の違法行為となるため一切支払う必要はありません。罰金の支払をを決められるのは裁判官のみです。給与から罰金や借金を天引きするのも違法行為なので、こちらも併せて覚えておきましょう。
ホストは個人事業主なので労働法が適用されないという情報も目にしますが、実態が労働者に該当すれば労働者として扱われます。実際に裁判で労働者として認められた例もあるため、トラブルになりそうであれば弁護士に相談するのがよいでしょう。
ツケは清算してから辞める
整形費用や衣装代、ヘアメイク代などお店からお金を借りている場合は、きちんと清算してから辞めるほうがよいでしょう。ホストで作った借金は高額なことも多く、一般的な昼職ではなかなか返しきれないこともあるためです。
ただし、お店からの借金がお客様に飛ばれた売掛分だった場合、書面の有無や金額によっては、飛ばれた売掛の保証をホストが被らなくてもよい、または減額されるケースがあります。多額の借金があって辞められないという場合は、こちらも弁護士に相談しましょう。
借金は退職後の返済で問題ない
法律的には、借金を理由に退職を阻止することはできません。お店に返済が必要な借金は、退店後に支払いを続けるということもできます。そのため、たとえ借金があっても退店自体は可能です。
借金の返済が残っているがお店は辞めたいという場合は、お店と相談して返済計画を立てるようにしましょう。
まとめ
トラブルなく円満に退店が決まれば、盛大なラストイベントを開催できるかもしれません。ホスト最後の稼ぎどきでもあるので、できればお店とは揉めずに辞めたいものです。
できるだけ早い段階で退店の意思を伝え、お店の都合にも配慮しながら、辞めるタイミングを決めていきましょう。
「もう少しホストを続けてみたい」「他店で再スタートを切りたい」という人は、New Generation Groupで働いてみませんか?