どもども。歌舞伎町でホストクラブを運営するNGG(NEW GENERATION GROUP=ニュージェネレーショングループ)オーナーの桑田龍征です。
今回は、僕がこのコロナ禍で感じてきた「日本社会における娯楽産業の軽視」について書いてみます。
日本で娯楽産業や飲食産業が軽視されるワケ
そのこと自体は僕も理解できます。
ただし、飲食産業や娯楽産業ばかりがやり玉に挙げられることには、やはり憤りを感じます。
そして、特にホストクラブという夜の街の産業の人たちは、「世の中からすると圧倒的な少数派なんだな」と痛感しました。
以前と比べると、最近は外で飲食する人も増えましたが、それでも多くの日本人は「とにかくコロナが怖い」「感染しないためにはずっと家にいるのが一番だ」と思っています。
だからこそ、そうした産業がどうなろうと関心がないのでしょう。
このあたりは国民性の問題もあると感じます。
人と過ごす楽しい時間は、人生に欠かせないもの
サッカーのスタジアムにガンガン客が入っていて、みんなが声を出して応援いる映像を見たことがある人も多いでしょう。
そうした状態を許容したことにより、実際に感染者が増えてしまった面もあるわけですが、それでも娯楽産業が平常に近い形で動いているのは、「そういう場所がないと人生が楽しくない」という人が多いからだと思います。
スポーツを見て熱狂する。お酒を飲みながら会話を楽しむ。
とても人間らしいエネルギーに溢れた行動で、僕は素晴らしいことだと思います。
でも日本では、「集まって酒を飲んで騒いだりするのはけしからん」という風潮が普段から強いですよね。
その差別的な視線は、ホストクラブを経営していて常々感じてきましたし、コロナ禍で特に強く感じています。
しかし、ホストクラブに限らず、飲食を含めた娯楽が「自分の生活にとって欠かせないもの」になっている人は多いです。
にも関わらず、娯楽産業に差別的な視線が向けられ、「酒を出す店」が「毒を盛る店」のように扱われることには、大きな違和感があります。
実効性のない対策の繰り返しに終止符を
自粛を要請されても、営業する店は営業するし、外で飲食する人は普段どおり飲食します。
その行動が自分の日常だから続けている人も多いでしょうし、「自粛しても意味ないやん」と思っている人も多いでしょう。
そして、ただ自粛を呼びかけても応じない人が多いなら、「これだけの効果があることが分かっています」とデータを示すべきです。
また、データを示しても応じてもらえないなら、また別の方法を試すべきです。
しかし、日本の政治では、実効性のない呼びかけが闇雲に繰り返されてきました。
その状況には、1人の経営者としても憤りを感じました。
政治家も経営者も、リーダーたるものは行うことは同じで、様々な施策を試して、失敗したら「なぜ上手くいかないのか」を検証して、次の手を考えて……の繰り返しだからです。
ただ闇雲な自粛要請ではないコロナ対策が行われることを、僕は願っています。