こんばんは。歌舞伎町でホストクラブを運営するNGG(NEW GENERATION GROUP=ニュージェネレーショングループ)オーナーの桑田龍征です。
今回は、「何のために仕事をしているの?」と聞かれたときに、「誰々のため」と具体的な人間の名前が挙がる人は強い……という話について書いてみます。
働く理由が「誰かのため」の人には協力者が増え続ける
「自分が幸せになりたい」という思いだけでは、出せるエネルギーに限界があるし、多くの人を巻き込めないからです。
もちろん、お金が儲かっているときは人が集まるかもしれませんが、「金の切れ目が縁の切れ目」で、次第に人は離れていくでしょう。
逆に、自分の仕事について「誰々のためにしている」と具体的な名前を挙げられる人は強いです。
よく考えてみれば分かると思いますが、「自分の金儲けのために事業を行っている人」と「誰か他の人のために事業を行っている人」のどちらに協力者や賛同者が集まるでしょうか。
それは絶対に後者ですよね。
事業を計画する上でペルソナを作ることが多いのは、この「誰々のため」を明確にして、事業のパワーを大きくするため、といえるでしょう。
なお、僕がホストクラブを経営している理由の一つは、「やりたいことや夢はあるけど今はお金がない人のため」です。
僕は自分のホストクラブで、そうした人たちにお金の稼ぎ方を学んでもらい、実際にお金を稼げるようになってほしいと思っています。
『令和の虎』も同じで、「人のため」を大事にしていますよね。
『令和の虎』は「見た人が学びを得られるコンテンツ」であり、何より志願者が新しい未来を掴み取れる番組です。
だからこそ、あれだけ視聴者や支持者が多くいるわけです。
離職する人が多い業界だからこそ、自分のルーツを大事にしたい
「誰かのためにこの仕事をしている」というのも、一種の理由付けです。
また、自分のルーツを大事に仕事をすることも、一つの理由付けになります。
僕の場合は「自分のホストとしてのルーツ」を大切にして、僕がまだ駆け出しの時期にお世話になってきた人や、仲良くしてきた仲間のことは大事にしたいと思っています。
ホスト業界はとにかく離職する人が多く、気づけば身の回りにいた昔の仲間や先輩はいなくなっていることが多いので、一緒に仕事ができる仲間は非常に貴重なんです。
僕はそうした「自分のルーツを大切にする」生き方の実践の一つとして、業界から離れていた元上司を、自分のグループに呼び寄せました。
北海道出店は、お世話になった元上司のため
その人が、僕のYou Tubeにも登場した「元上司の田中さん」です。
田中さんは「ホスト・桑田龍征」の育ての親といえる恩人です。
マネジメントスキルがとにかく抜群で、人にしっかり愛情を注げる人です。
その能力を生かして、田中さんは数年前まで歌舞伎町でホストクラブを運営していました。
しかし、なぜかお店を畳んでしまった。そして今はタクシードライバーをしている……という話を聞いて僕は驚きました。
そして僕は田中さんと連絡を取り、「何で田中さんがタクシードライバーなんですか! 僕のプロジェクトに参加してくださいよ」と頼んで、NGGに加わってもらいました。
NGGに参画後は、「ズムホス」の運営や、ホストたちの写真や動画の撮影を担当してもらっていました。
その田中さんが、ついに重い腰を上げて、「もう一度お店をやりたい」と言ってくれたんです。
そしてNGGは北海道に出店することになり、田中さんがお店の運営を担当することになりました。
田中さんは僕に「ホストのいろは」を教えてくれた人なので、今は「やっと恩返しができるな」という嬉しさがあります。
田中さんは僕の本当の恩人です。時には厳しく、そして「ここぞ」というときには本当に優しく僕に接してくれましたし、本当に僕を信頼してくれていました。
歌舞伎町という街には信頼できない人も沢山いたので(笑)、本当に信頼できる人、お世話になってきた人には恩返しをしたい。
こうした恩返しをすることで、僕自身の人生や生き方にも新しい味が出てくると思っていますし、それはグループの価値にも還元されていくと信じています。
別々の道を歩んだ仲間と再会する「胸熱な展開」を人生に
また、僕が共同出資者として関わっているメンズアイドルグループ『隣のアイツに恋してる!(とな恋)』では、田中さんのもとで僕と一緒に働いていた仲間がマネージャーをしています。
彼と僕は本当に仲が良かったんですが、生きるか死ぬかの大病を患ったことで、仕事を続けられなくなってしまいました。
その再起後に、「なら俺が仕事を作るから、一緒に働こうぜ!」と僕が声をかけ、今の仕事についてもらった形です。
経営者はともすると仕事の目的を見失い、「あれ、俺って何のために仕事をしてるんだっけ?」と思うタイミングが出てきてしまいがちです。
僕はそんなとき、自分のルーツを思い出して、「仲間のため」「世話になった人のため」を意識して仕事をしたいと思っています。
人は何か仕事が上手くいかなくなると、新しい環境へと出ていきたがりますが、「そうやって環境を変え続けて、人生って楽しくなるのかな?」と僕は思います。
もちろん環境を変えることが必要な時期はあるでしょう。
しかし環境を変え続けて、人間関係も変え続けた人は、その時その時の楽しい思い出は作れるかもしれませんが、最終的には孤独になるでしょう。
人生100年の今の時代は、10年後や20年後、それよりもっと先に、昔の仲間と再開することが実際に多くあると思います。
そうやって仲間と再開したときに、自分たちのルーツから続く物語を描けたほうが、人生は楽しくなると思います。
『ONE PIECE』のような漫画で、最初の頃に出てきた仲間が、別々の道を歩んだ後に再開するのって、読んでいて胸が熱くなるじゃないですか。
僕はこの先もそういう再開の機会を大切にして、自分がワクワクするような人生を歩んでいきたいと思っています。