どもども。歌舞伎町でホストクラブを運営するNEW GENERATION GROUP(ニュージェネレーショングループ)オーナーの桑田龍征です。
今回の記事では、「成長するためには背伸びせした関係を作った方がいい」という話を、「コンフォートゾーン」という概念と一緒に解説してみます。
コンフォートゾーンの外は不安と恐怖だらけ
これは心理学の用語で、「ストレスや不安がなく、限りなく落ち着いた精神状態でいられる場所」を指します。
そして人は、そのコンフォートゾーンから離れれば離れるほど、恐怖や不安が大きくなります。
たとえば読者のあなたが、サッカー日本代表の久保建英選手や、バイオリニストの葉加瀬太郎さん、楽天の三木谷社長と一緒に過ごすことになったら、どう感じるでしょうか。
もちろん嬉しさもあると思いますが、心身にかなりのストレスがかかると思います。
気分は落ち着かないでしょうし、ドッと疲れがたまるでしょう。
それは、彼らがあなたのコンフォートゾーンの外側の、しかも大きく離れた場所にいる人物だからです。
あなたは彼らとどう接すればいいか分からないでしょうし、彼らを化け物のような存在にも感じるかもしれません。
しかし、です。
もしあなたが、彼らのような存在に自分がなりたいなら、彼らの近くの環境で過ごすべきです。
自分が化け物になりたいなら、化け物のいる環境に行かないと成長できないからです。
コンフォートゾーンの外に出ることで人は成長する
そこに祖父母や親戚が加わったり、近所の人が加わったりして、幼稚園や保育園に通いだしたら、最初は怖かったその場所も、自分にとってのコンフォートゾーンに変わっていきます。
つまり、コンフォートゾーンを広げるには、自分のコンフォートゾーンの外へと出ていくことが必要なわけです。
そして小学生、中学生、高校生と成長していくなかでは、学校をコンフォートゾーンに変えながら、部活や趣味の分野で、より広い世界へと出ていく人もいるでしょう。
たとえば部活のスポーツを頑張っている人なら、出場する大会が県大会、全国大会と大きくなるにしたがって、「自分を置く位置」も変わってくるはずです。
志を高く持つ人なら、全国大会に出たときも「勝って当たり前の存在でいたい」と思うでしょう。
そうではなく「ボロ負けするのはイヤだから、こういう大会には出たくない」と思う人もいるかもしれません。
コンフォートゾーンを広げて成長できる人と、成長できない人では、そうした部分で差が出てくるわけです。
売れないホスト同士でつるむ状態は快適ゆえに危険
売れないホスト同士でつるんでいる状態は、まさにコンフォートゾーンの内側に閉じこもっている状態です。
ものすごく快適で安心感があるでしょうが、そこには学びや成長の機会はほとんどありません。
毎日一緒にメシを食って、一緒に遊んでも、お互いにダメなところを指摘することもないでしょうし、嫌味を言われることもないはずです。
それが逆に、売れているホストと一緒に過ごすようになったら、どうでしょうか。
売れていない自分との日常生活の違い、プロ意識の違いが、否が応でも見えてくるでしょう。
耳の痛いことを言われる機会もあるかもしれません。
売れてないホストとダラダラ過ごしているときのような安心感はないでしょうし、正直なところ居心地はメチャクチャ悪いでしょう。
でも、自分が成長したいなら、ちょっと背伸びした関係を作って、「この人に少しでも近づこう」と努力をしないといけません。
辛い体験は「次に功するための痛み」と考える
失敗して傷つくことも覚悟しなければいけません。
そして覚悟を決めたなら、自分が怖いと感じる場所、不安に感じる場所でも、そこで平常心を保てるようになるまで頑張ってみましょう。
僕はホストになった後、実際にそうやって成長してきました。
僕はホストになる前の人生で、月に数百万円も遊びで使う女性とは接したことがありませんでした。
でもホストの世界に飛び込んで、そうしたお客様の席にヘルプで付いて、「このお客様はどういうホストを求めているんだろう」と考えながら接客をしました。
最初はもちろん緊張しましたし、失敗して嫌われることもありました。
無言で無視され続けたこともありました。
30分くらいのあいだ、一度も目も見てくれず、ずーっと爪を見ているだけのお客様もいました。
でも、そうしたつらい経験は、同じようなお客様と初回で出会ったときに必ず生きてきます。
そして、「つらい経験が報われた」という体験をすると、次に同じような辛いことがあったときに、「これは次に成功するための痛みだ」と感じられるようになる。
そうやって人は強くなるんです。
勇気を持って踏み出せば、「不安」は「楽しさ」に変わる
特に昔のホストクラブは、今とは違ってとっぽい人が本当に多かったし、売れているホストには暴走族上がりの人もいました。
ケンカも何度もありましたね。
僕は大学生でこの世界に飛び込みましたが、そうした怖い先輩と接しても、「学生だからってナメられてたまるか」と思っていました。
そして、「あの怖い人達も、意地を張ってでも稼ぎたい理由があるから、この世界にいるんだよな」と思いましたし、「それなら、彼らから一つでも多くのことを学んで、彼らと対等な会話ができる人間になろう」と思いました。
自分が怖いと思う相手、凄いと思う相手と向き合えるようになるには、その相手を理解することが必要です。
「なぜ、この人はホストをやっているんだろう」「どうして売れているんだろう」「お客様たちは、この人のどこが気に入って指名しているんだろう」と必死に考え、研究して、それを自分の接客に生かしていきました。
そうやって成長を続けていくと、コンフォートゾーンの外の怖かった世界が、怖くなくなっていきます。
そして多くの物事が見えるようになるし、未体験のことが「怖いこと」から「楽しいこと」に変わってきます。
自分が快適だと思う世界から、一歩だけ外に出ること。
それがいちばん怖い瞬間です。
そこで踏み出して、恐怖に耐えて少しのあいだ頑張ってみると、その先は楽しいことがたくさん待っています。
ホストという仕事に不安や恐怖を感じている人も、ぜひ勇気を持ってはじめの一歩を踏み出してみてください。