元ホストの経営コンサルタントの倉本圭造が『麒麟がくる』を斬る
短期的にとはいえ、ホスト業界に関わったあと、経営コンサルタント、経済思想家といった一風変わったキャリアで注目を集めている倉本圭造さん。
今回は、元ホストである倉本さんが人気ドラマ『麒麟がくる』をどう分析しているのか解説していきましょう。
変わったキャリアを持つ倉本圭造ってどんな人物？
1978年に神戸市に生まれた倉本さんは、京都大学の経済学部を卒業した後、大手コンサルティング会社であるマッキンゼーに入社。若い時期からグローバルな活躍を見せたのですが、このままエリート街道を突き進むのを良しとしなかったのは彼の、一風変わったところかもしれません。
「今を生きる日本人の全体像を過不足なく体験したい！」という思いから、肉体労働をしたり、カルト宗教団体に潜入したり、ホストクラブで働いたりと、頭脳を使うことのみならず体験の重要性もしっかりと理解している稀有な人物が倉本さんなのです。
「倉本圭造の発する体温を感じられつつも刺激のある言葉に興味津々」いう人はたくさん存在し、月額1万円ほどでメールのみのコンサルなどを行うなど幅広い活動を行っています。
ホストクラブで働くことを決意した理由
倉本さんは、アメリカにある有名コンサルティング会社のマッキンゼーに入ったものの、いわゆる世界的企業と日本社会の間にあるギャップに驚きます。
グローバリズムの中で生きる日本人として「（現在日本）社会のリアルを知ろう！」と意気込み、彼が選んだ職種はホスト。
ホストクラブで働く人といえば、イケメンでスラッとしています。お世辞にもホストっぽい外見をしていなかった倉本さんですが、姫を獲得したり、慣れない水商売で必死に汗を流しました。
倉本圭造が売れっ子ホストから聞いた女性の心を掴む秘訣
当時、倉本さんが勤めていたお店の№1ホストに、女性とのコミュニケーションをとる際の秘伝を教わったといいます。
その詳細を、倉本さんのnoteの『「愛の不時着」に見る韓流ドラマの男のカッコつけ方と、ホストクラブのナンバー１が教えてくれたモテテクニックの共通点から見えてくるもの。その先の新しい着地点としての「鬼滅の刃」の炭治郎くんについてなど。』の記事からご紹介しましょう。
「聞き上手の男性は、女性からの人気が高い」と耳にした人はきっと多いはず。
№1ホストは、姫の話を聞きすぎず、かといって、気もそぞろといった感じではなく「聞いてるからしゃべり続けてよね」くらいの感覚で聞いておくのが大切だと説きました。
これだけで終わりではありません。
そのあと、女性の話で盛り上がった際、相手の目をしっかりと見つめながらグラスを拭くことで、女性の気持ちを掴めると先輩ホストは語りました。
女性からすると「自分が考えていることを好きなだけ話しても、相手は動じることがないものの、嫌がることなくしっかりと関心を持ちながら向き合ってくれている」というのが喜びなのです。
言われてみなければ永遠に気づきそうもない細かいテクニックを、先輩ホストは日夜、実践していたのでしょう。
倉本圭造が『麒麟がくる』に興味津々なのは信長の魅力ゆえ？
日本の歴史上最も有名な事件といっても過言ではないのが、本能寺の変。油断していた織田信長が明智光秀の思わぬ奇襲に遭遇し、自害を遂げた最後はあまりにドラマティック。
倉本さんは、日本人の信長に対するアンビバレントな感情を指摘しました。彼が見ていたあるバラエティー番組によると、理想の上司と上司だった嫌な武将、双方の部門で信長が首位に輝いていたというのです。
「合理的で仕事面では超優秀だけど、冷淡で独裁主義すぎて近い距離で働くのは怖い……」というのが、多くの日本人が抱く信長観かもしれません。
日本は「本能寺の変」的な出来事が定期的に起こる国!?
「明智光秀が信長を襲い命を奪ったのはなぜか？」というのは、未だにたくさんの歴史家たちが語っているものの、真相は光秀本人しかわかりません。
倉本さんの見立ては、信長の横暴ぶりを看過できずにいた光秀の「とにかくこのままじゃいかん！」という思いが強かったのではないかというもの。
『麒麟がくる』の第43回では、「公家や武家だけではなく、百姓、商人、芸人のみなが良い世と思われるような政治をしなくてはいけない」と熱い理想論が語られるというシーンがありました。
みんなのための善政を忘れ、エゴイズムに走った信長を「粛清しなければならない！」と考えたのは、光秀の個人的な思いというより、当時の人達の集合的無意識であるともいえなくはないでしょう。
エゴと自己愛で自らの本分を忘れた信長を『麒麟がくる』の中で「月にのぼる者」と呼んでいます。
日本人は横並びが大好きな民族。図抜けた存在が出現すると恐怖や不安を覚えて、一声に叩きにかかる同調圧力は今も昔も変わりません。
これまでたくさんの人から指摘されてきましたが、信長は日本人的とかけ離れたエキセントリックな感覚の持ち主。
だからこそ、戦乱の世で天下人になれたのでしょうか、同時に「このまま放置しておくことは日本のためにはならない」と考える人が大勢いた可能性は高いでしょう。
現代の織田信奈は、竹中平蔵？
倉本さんは、現代の「月にのぼる者」として竹中平蔵氏の名前を挙げました。
ネオリベ（新自由主義）の旗手である竹中平蔵氏が、ずっと君臨し続けているのには明確な理由があると倉本さんは口にします。
次々に発生する現実的な問題のディティールにまで知り尽くし対応する力を持っているのが、竹中氏しかいないというのです。
政府関係者も強いイデオロギーを持ちながら動く人達も、結局問題解決するまでの段階に進めません。そうなった際に「しかたがない、竹中さんに相談するか」とお互いなるといいます。
話が経済に及びましたが『麒麟がくる』の中で、光秀が信長を亡き者にした原因は「信長に対する愛ゆえだった」という打ち出し方をしました。
経済的な観点から分析を行った倉本さんも「本能寺の変の原因は、（『麒麟がくる』の中で展開された解釈で）間違いない！」と納得してしまいそうな気分になったと告白しています。
『麒麟がくる』は最終回であえて希望を残した？
『麒麟がくる』自体は2月7日の最終回を持って全放送が終わりましたが、夢中になって見続けていた人も多かったでしょう。
史実上は、信長を破った光秀は、山崎の戦いによって羽柴秀吉に敗れています。光秀の短い栄華は、「三日天下」という言葉の語源になったといわれていますが、実は最終回で光秀は亡くならず、その後、どうなるかをぼやかしたままドラマは終了となりました。
それは脚本家である池端俊策氏が、光秀に込めた愛ゆえかもしれないですね。
ホストに1,000万円貢いだホス狂い女性の深刻な相談
参考サイト：https://forzastyle.com/articles/-/61201
「ユーモアは紳士の嗜み」というキャッチコピーとともに、ユーザーへ笑いやなるほどをプレゼントし続ける講談社のWEBメディア『FORZA STYLE（フォルツァスタイル）』。
今回は『FORZA STYLE』の『純喫茶ペペ』に寄せられた、ホストクラブ通いホストへ貢ぎ続ける女性の、真剣なお悩みを紹介します。
ホス狂いを自認する女性はすでに1,000万円貢いでいる
ホストクラブなしでは生きられず、ホスト依存になっている状態の女性をホス狂いと呼びます。
相談主は自分自身が客観的に見て、ホス狂いであることを理解しています。
彼女が贔屓にしているホストは「俺を№1にしてくれたら、結婚する」と断言しているそうなのですが、他の女性にも優しくしているのだとか。
ホストが担当する姫の中で、最も太い客はエースと呼ばれ憧れの対象。これまでにパパ活や地方での出稼ぎをしてエースになるべく努力をしてきた彼女ですが、頑張りすぎたのか心が揺らぎつつあります。
「このまま彼の言葉を信じて頑張っていいですか？」という切実な相談に、順喫茶ペペはどのような答えを返したのでしょうか？
ホストクラブは疑似的に色恋を提供する場所
そもそもホストクラブがガチ恋ではなく、疑似的な恋愛の場所であることは周知の事実。しかしそれでも色恋営業をかけられると、姫たちは本気になっていくのです。
女性が闇落ちしやすい理由として、純喫茶ペペは「心と身体が運命共同体である人が多い」と推察。
男性用の風俗が成り立っているのは、風俗嬢相手にガチ恋する男性が少なく、性的な欲求を処理させてくれる場所であり相手という区分けができているのもあるでしょう。
このように男性と女性では、心身のメカニズム自体が異なるため、ホストクラブにハマリ闇落ちしていく女性が後を絶たないようです。
1,000万円を稼いたポテンシャルは称賛に値
純喫茶ペペは、相談主の女性を切り捨てることはしません。
「愛は高額の紙幣で買えるものではない」「本来の愛がある相手では、お金を一円たりとて支払わずとも、あなたと一緒にいてくれるはず」と本質を突いた後、背中を押す言葉を相談者にかけました。
使い道は一旦置いたとしても、彼女が1,000万円を稼ぎ出した事実は揺るぎません。そのポテンシャルを評価した上で、「努力と熱量を異なる人生に費やしてください」と希望を添えたエールを送りました。